ルパン3世次元大介と傭兵の女 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:508 hit

03 ページ4

薄暗い密室で話をしていたシルヴィアと次元

『何度も言わせるな。私はシルヴィアだ。Aなど知らない。』

カチャリと銃を向けると、次元は黙った

「海の星。覚えているか。」

『海の…星？』

ドクンッ！

『っ…！！知らない。』

※

「星っていいよなぁ…」

『海の星って伝説知ってる？………っ！……！』

「生きて帰れたら、二人で行こうぜ。A。」

※

ザザ…と頭の中に声が響く

彼女が引き金を引こうとした時、飛行船がギギ…と傾いた

『チッ……何事だ！！！』

「ICPOです！！どうしますか！？」

部下の慌てた通信の声に彼女は苛立っていた

『蹴散らせ！！！』

(作戦の邪魔をされればあの方が…っ！！)

嫌なものを振り切りるように首を振ったシルヴィアを見て、次元は首を傾げた

「お前まさか記憶が…。」

『黙れ！！！』

再び次元に向けられた銃は震えていた

『私はシルヴィアだ…そう……あの方に頂いた…シルヴィア…ううっ…』

頭を抑えて蹲った彼女

縛られて動けない次元は名前を呼ぶことしか出来ない

しかし

爆発音と共に部屋に入ってきたのはルパンと五ヱ門であった

「次元！とっつぁんだ！！ずらかるぜ！！！」

五ヱ門によって縄を切られた次元は自由になった

愛銃もルパンに返されて、逃げることはできた

「……俺と、来るか？」

しかし苦しんでいる彼女を放っておけず、次元は手を伸ばしてきたシルヴィアの手を取る

「走るぞ！！」

ICPOの飛行船に乗り込み、銭形たちをシルヴィアたちの船に残して離れる

『離せ！私はシルヴィアだ！！！お前の知るAじゃ……ぁっ…。』

騒ぐシルヴィアを黙らせたのは五ヱ門だった

「五ヱ門…悪いな。」

「この女子は知り合いか？」

五ヱ門がそう問えば、すこし考えた次元

「…そんなところだ。恐らく、記憶がないようだが。」

悲しそうに答えた次元を見て、ルパンや五ヱ門はなにも言えなかった