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『……はぁ…はぁ…………この位、かな。』



マルコの背から降りて約一時間、二隻の船の海賊たちを一撃で仕留めたAは中央の敵船の甲板で気配を一瞬だけ現す


一人が気がついた頃には時すでに遅し


上空から現れたマルコと


次々と倒れていく仲間たちにその者は動けなくなった


「ひぃいぃ!!!船長ぉぉぉっ!!!敵がッ……ァ…ガ………。」



逃げ出した敵を追いかけようとしたマルコは突然倒れた男を見て、後ろに目をやる


マルコは目を疑った



『ごめん、下にいるやつらにバレちゃった。すぐに増援が出てくるよ。』



ベットリと身体に付着した血


それは全身に付着していた



ほとんど戦ったのはAだ


全く息が切れていない


マルコは改めて彼女の実力を実感した


恐らく船での実力は加減、少しだけ本気のAが見たい


そう思っていたマルコは意識を彼女から周りへと戻す


「何一人に手こずっていやがるんだ!!?あぁ!?」


ズカズカと出てきた大男は、怯えている船員たちに怒鳴る


「…本命………かね。ちょっと待て…今、一人って言ったかよい。」


マルコの素っ頓狂な声にゲラゲラと敵船のもの達が笑う


「なんだお前!俺様にビビってんのか!!?ハハッ!そうだろう…なんせ俺…は……………ガフッ!!!?」



突然血を吐き、膝をついた大男は船長だったらしい



『…私の家族を…………馬鹿にするな。』


Aが気配を露わにした時、敵船の船員たちは一斉に首から血を吹き出して倒れる


「…女、だと…?ぐっ…こんな……こんな小娘に俺たちゃ…殺られたっての…か………。」


大男はAを見上げたまま…静かに事切れた


「…ありがとよい。もう敵は居ないんだな?」


ポンポンと何も言わなくなったAの頭を撫でれば、彼女は慌てながら居ないと答えた


『…マルコ、檻の中にいた人たち……全員女だったよ。……何人かは、殺されてた。』


彼女の悔しそうな声に、自分に血がつくことも気にせずAをキツく抱き締めた


「そうかい…とりあえずお前も俺も血まみれだ。後は俺の隊とサッチの隊に任せて風呂入りに戻るよい。」


Aを抱き上げ、迂回してきたモビーディック号に飛び移ったマルコ


「二人でデートとか羨ましいなおい。わー待って、ジャジャ丸ちゃんいい子だから!ホラ!ね?ねぇやめて!!ぎゃぁぁぁあっ!」


噛み付かれているサッチを置いて、後のことを任せたマルコはそのまま自分の部屋へとAと共に入った

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作者名:タチバナ | 作成日時:2022年10月11日 20時

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