毒蛇と天敵(マルコ落ち) (ページ6)

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｢…………今日の不寝番は俺たちなんだがな…お前まだどの隊にもいな…『マルコと話をしたいだけよ。どいて。』だからなぁ……あっ…隊長…。｣

彼女とエースが白ひげ海賊団に入ってから数日後の夜、Aは感じた気配に顔を顰めつつ不寝番のマルコの元に訪れていた

騒ぎを聞き付けたのだろう

船首付近にいたマルコがスタスタと眠そうに歩いてきた

｢なんの騒ぎだよい。｣

『…マルコ、船の後ろに三隻。つけられてる。』

マルコの近くまで移動すると間髪入れずに口を開いたA

そんな彼女の言葉に耳を疑った一番隊の各々は船影すら見えないぞと慌て出す

｢騒ぐな！……A、その船に強そうな気配はあるか？｣

マルコがその場を宥め、Aの手を掴んで船の後方へ歩きながら話す

『……いや、多分普通の海賊ではあるけど…一定の距離を保ってるから仕掛けるな…ら……待って。』

目を閉じて後方の船に意識を向けたAはある気配を見つけ、足を止めた

｢…どうした？｣

『……これは…人？………厳重な檻の中に人が沢山いる。その横に少し強めの気配が2つ。』

｢マジかよい…。｣

彼女の感じた気配に、マルコは深くため息をついた

『ねぇマルコ。…私なら、横の二隻を音もなく殺れる。』

｢…本気か………はぁ…乗れよい。｣

やる気満々のAに少々呆れつつ、マルコは能力を使う

すると

｢…シャー！！！！！｣

寝ていた筈のジャジャ丸が起き、マルコに威嚇をした

『大丈夫だよジャジャ丸。マルコだよ。』

そう言ってマルコの背に乗れば、ジャジャ丸は大人しくなった

モビーディック号から飛び立ったマルコは、少し高めの位置を飛ぶ

敵船にバレないようにする為である

『もう少し高くても平気よマルコ。…中央の船は二人で、とりあえず横の二隻を片付けたら呼ぶよ。どうやら彼らにはまだ…モビーディック号しか見えてないみたい。』

『そうかい…お前の気配が見えたら、合図だろい？』

高度を少し上げて、マルコはAの作戦に賛成した

そしてAはマルコの背からするりと飛び降りた

｢…全く、恐ろしい末っ子だよい。｣

今思えば、彼女が海軍にいたら勝てなかったかもしれねぇな…とマルコは笑った

そして、少し楽しげに揺らいだAの気配が消えたことを確認したマルコはモビーディック号にいる自分の隊に連絡を入れる

その頃、静かに敵船へと降り立ったAは

音もなく

一人目の首を斬った