毒蛇と天敵(マルコ落ち) (ページ2)

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エースが白ひげによってボコボコにされて丸二日

エースはまだベッドで魘されていた

その様子を見ているのは、彼の右腕でもあり、唯一互いの秘密を共有しているAと彼女の家族であるジャジャ丸

不安げに顔を伏せたAだったが、ドアが開く音がして即座に気配を消した

「……隠れなくていいよい。A、何度も言うが飯を食え。はやく出てこい。」

入ってきたのはエースがやられて、仲間たちが白ひげを倒そうとした時に現れた隊長格の一人

一番隊の隊長であるマルコだった

彼女と戦闘を繰り広げたマルコは腕に包帯を巻いているが、勝ったのはマルコである

彼にキツく伸された彼女にとっては嫌いな男の一人だ

「………パン、食うなら俺の部屋に来い。」

そう言ってマルコは部屋を出ていく

どう出ようか渋っていたAは即座にマルコの後を気配を消したまま追いかける

『(ふわふわのパン……！)……わぶっ………急に止まるな不死鳥マルコ！！』

急に立ち止まったマルコの厚い胸板にぶつかったAはとりあえず距離を置く

マルコは溜息をつきながらも部屋に着いた事を告げる

「マルコでいいよい。Aと…ジャジャ丸。」

そう言ってドアを開けたマルコより先にAが部屋に入ると、やれやれとマルコは息を吐く

彼が部屋に入る頃にはパクパクと机に座りながらパンを食べる彼女とパンを分けてもらって嬉しそうにしている蛇がいた

『……………。』

ジッとマルコを睨んだまま、Aはパンが入ったかごを持ってジャジャ丸と一緒に部屋を出る

彼女にとってエースが船長である限り、エース自身が白ひげに属すると言わなければ仲間では無いと言ったこと

恐らくまだそれを気にしているのだろう

「良い忠誠心だがよい……諦めも大事なんだがなあ……余程の事がエースとあったんだな、お前らはよい。」

部屋を去る2人の背に、マルコは静かにその言葉を零した

「おうチビ助！」

「スーッ。……ワタシを名前で呼べ、小僧。」

『……ジャジャ丸、もう許してやって。私はもう海賊なんだ、船長を護るのが私たちの役目。ね？』

「硬苦しい…なぁA！俺のことはエースって呼べ！！後は…そうだな！笑え！！笑うといいことが沢山寄っっグーー。」

『寝るのかよ！』

かつての記憶を思い出しながらクスリと笑ったAは
エースの部屋の前で声を掛けられた

その人物はよくジャジャ丸に噛み付かれる男だった