進撃の巨人調査兵団の牙 (ページ22)

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020 文才はどっかいきましたページ22

｢でもそれは……エレンが巨人から出た時の状況を見る限り、出来そうもないって結論付けた筈では？…装備は破損して、戦闘服さえ無くなってたし…何よりエレン本人が自力で立つ事さえ出来ないほど憔悴していた。｣

ハンジの答えに、エルヴィンは目だけを向けて答えた

｢女型の巨人は、叫び声で巨人を引き寄せる能力を持っていた……我々はそれを予想できず、作戦は
失敗した…巨人の力に練度があるとしたら…
その力において、初心者のエレンを基準に考えるのは間違いだった。………あの敵を出し抜くには発想を飛躍させる必要がある。｣

二人の会話を聞いていたAは、エルヴィンが何を言いたいかを理解した

｢敵が…力を残す術を持っているなら……再び
巨人を出現させることも出来るかもしれん。｣

エルヴィンの言葉の後、遠くの方で轟音が響いた

『…この音………頼むわよ…アレン…皆っ！！』

ペンダントを握りながら、Aはエレン達の無事を願った

｢今回敵と対峙して感じたことだ…最善策に留まっているようでは、到底敵を上回ることは
できない。｣

エルヴィンはペンダントを握り締めて祈るAをチラリと見てから再び口を開いた

｢必要なら大きなリスクも背負う…すべてを失う
覚悟で挑まなくてはならない。……そうして
戦わなければ、人類は勝てない。｣

不安げにエルヴィンを見たAは、微笑んだエルヴィンを見て…前を向いた

その様子を見ていたハンジがAに声をかけようとした時だった

｢ヴォォォォォォォォォォォォォォッ！！！！｣

突然後方から響いた巨人の声…

それはエレンのものだった

エルヴィンも後方から響く声に、振り返った

｢俺は隊長を残して死んだりしませんよ｣

アレンの言葉を思い出していたAは、エレンの声を聞きながらブレードを抜いた

｢っダメだA！その体では無理が有り過ぎる！！｣

立体機動の準備をしたAに、ハンジは必死に止めた

『今やらなかったら後悔する！！』

｢命令だ…A、君はここに残れ。｣

悲痛に叫ぶAにエルヴィンはしっかりと彼女の目を見て命令した

『……。』

しかしエルヴィンを見たあと、立体機動装置を使ってAはエレンのいる方角を目指した

｢待って！Aっ！！｣

｢…彼女を信じよう……ハンジ。｣

追うように反論しようとしたハンジは驚いた

今にも追いかけたいといった顔をしていたのは
エルヴィンの方だった