019 文字数… ページ21
｢アンタ、どうしてそこまで…。｣
『私には、夢があるから。…夢のために
私はあなた達の命も簡単に捨てるわ。』
｢…フフ……いいぜ………俺はアンタみたいな上司を待ってたんだ。…俺がアンタの剣になってやる……
だから、アンタは死ぬな。｣
｢これ以上、女に死なれるのはゴメンだぜ…。｣
『アナタが副官で良かったわ。』
｢…………っ…て…！｣
｢……Aってば！！！｣
『……っ！…なんだハンジか。』
昔を思い出していたAは、何度かハンジに声を
かけられていたらしい
顔色の悪いAを心配しているのは
エルヴィンだけではなかった
｢君さぁ……大丈夫じゃなさそうな顔色だよ？
ホントに大丈夫？｣
『大丈夫だからこうして馬に乗ってるんだけど…ねぇ？ルーク。』
彼女の声に答えるかのように、ルークは嘶いた
｢あれだけ血を流して立ってられること自体
有り得ないんだけど……ねぇ、エルヴィンからも
なにか言ってやってよぉ！！｣
顔色の優れない彼女を何がなんでも休ませたい
ハンジはエルヴィンに助けを求めた
｢…A、拠点に着くまで耐えられるのか？｣
『ちょっと貴方まで？…平気よ。』
｢…だそうだ。｣
大丈夫と笑った彼女に、エルヴィンは諦めた表情で
ハンジに返した
｢えぇ……分かったよ…絶対無理だけはしないでよ？｣
心配なハンジは、無理をしないように釘を刺すの
だった
｢そういえばエルヴィン、どうしてリヴァイに
補給させたの？時間が無いのに…。｣
｢女型は食われた…だが、君は中身が食われるのを
見たか？…俺は見ていない。｣
彼の言葉に、Aとハンジは驚いた
｢…まさか……！｣
｢あぁ、以前君が言っていた推論通り、巨人化を
解いた後もある程度動けるタイプだとすれば…
そして、予め立体機動装置を付けていたとしたら……女型の中にいたやつは今、我々と同じ制服を着て…我々兵士の中に、紛れ込んでいる。｣
Aは黙って…その話を聞いていた
｢超大型巨人が消えた時…中身は立体機動装置を
あらかじめ装備していたから、蒸気に紛れて素早く
逃げることができた…今回も同じことが言えると
思わないか？｣
『…確かに……。』
エルヴィンの仮説に、Aは確信を持ちながら
二人の会話を聞いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タチバナ | 作成日時：2021年6月27日 0時
