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特命係


「…こねぇ。」



ソワソワしながら人を待つ伊丹に、杉下は優雅に紅茶を入れていた



冠城はコーヒーを飲みながら、伊丹の様子を眺めていた



「…誰かくるんですか?」



ニヤニヤしながら質問をした冠城に、伊丹は顔を逸らすだけであった



『お久しぶりです、杉下さん。』



紅茶を飲む杉下に挨拶をしたのは、訪れることすら珍しいSIFの隊長であった



「おや、貴女がここにくるとは珍しいですねぇ…もしやお休みですか?」



『流石ですね…監察官に休めと言われちゃいまして…。』



「暇なところなんですね。」



杉下と彼女との会話に冠城が割って入ると、Aは腰の銃を彼に向けたのだった



冠城は降参だと困ったように両手を上げた



『…話が逸れました。イタミン、仕事は何時に終わります?』



「そのあだ名やめろよ…もう終わるがどうした?」



少し顔を赤らめながら答えた伊丹に、彼女は腰に銃を収めてから伊丹を抱き締めた


すぐに彼女を引き剥がした彼は、先に玄関で待っていると告げてバタバタと特命係から出ていった



『…可愛い。』



「からかいすぎですよ?」



『彼にしか出来ませんから。』



ニコニコと杉下と話す彼女に、厳格なSIF隊長の面影はなかった



部屋を出ようとした彼女に杉下は人差し指を上げながら質問をした



「あぁ、貴女に一つだけお聞きしたいことが…今回の事件は解決しそうですか?」



杉下の質問に、Aは何も答えなかった



「何人も部下がやられてるんでしょ?捕まえたいと思わないの?」



冠城が質問すると、彼女は怒りを抑えた表情で答えた



『捕まえるのではなく、消し去る。それがSIFの掟…裏切り者への罰です。まぁ、捕まえるにしても敵が上手で取り逃してばかりなんですけどね。』



少し辛そうに表情を歪めた彼女に、冠城は困ったことがあったらと自身の連絡先を渡すのだった



冠城にお礼を告げて杉下に敬礼をし、Aは伊丹の待つ玄関に向かうのだった



「右京さん…調べたいって顔してますよ。」



「…君もそんな顔してますよ?気になってしまうのが僕の悪い癖。」



悪巧みをしているふたりは、この事件が大きなものだと言うことをこの時は知らなかった

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Grim reaper(プロフ) - 大河内さんのも見たかった…! (10月27日 3時) (レス) @page11 id: 1ede7a2e08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タチバナ | 作成日時:2021年3月22日 15時

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