7話 ページ8
Aside
『うぇ……っ……え……』
家に帰ってからは､嗚咽する程泣いていた｡
『悠仁………っ…』
寝る事なんて出来なくて､
いつの間にか朝が来て、
学校に行く時間になった｡
……高専の制服を着て、
…重い足取りで雄英に向かった｡
ーーーーーーーーーーーーーーー
『……誰もいない…』
俺の席は八百万さんの後ろ｡
……今日は…フード外せないな｡
…みんなにいらない心配させるし…｡
緑谷｢！…A君！おはよう！……｡｣
『あ…出久おはよう｡
……昨日はごめんね｡』
麗日｢A君おはよう〜｣
飯田｢おはようA君！｣
『うん｡麗日さん飯田くんおはよう｡』
……頭……痛いな…｡
あれ……俺……今…泣いてるのかな……｡
……もう…分かんねぇよ……｡
緑谷｢……A君…ちょっと来て｣
『…分かった』
ぎゅっと手を握って､
人気のない教室にきた｡
緑谷｢…何で…泣いてるの？｣
『…気付かなかった……ごめん…｡』
…見苦しい所見せちゃったな｡
カッコ悪すぎ……｡
緑谷｢……｣
ーｷﾞｭｯ…
『！……大丈夫､だから……』
緑谷｢泣いてる人に言われたくない｡｣
『っ……うぅ……っ…』
今は､その温もりに縋った｡
ちょっとして落ち着いてから、
悠仁の事を出久に話した｡
『…………昨日､同級生の仲間を失ったの｡』
緑谷｢！…………うん｣
驚きながらも､出久は受け入れてくれた｡
どんどん溢れてく思いを
止めることなどできなかった｡
『俺……何にも出来なかった……！』
緑谷｢……1人で抱え込むのは無理だよ｡｣
『……｡』
緑谷｢……僕に頼ってよ｡｣
『…迷惑じゃん｡こんな弱虫で泣き虫…｡』
緑谷｢迷惑じゃないよ！……それに…｣
『……？……それに？』
緑谷｢……もっと…頼られたいし///｣
『！…ありがとう…//……ってやば…
チャイム鳴っちゃう…！』
今度は俺が､
手を引いて教室に戻った。
俺……もっと強くなる｡
そう…心に決めて｡
ー俺はマントを鞄に押し込んだ｡
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作者名：珀 | 作成日時：2021年6月21日 20時
