己を終えるまで。[ヒロアカ×呪術廻戦] (ページ47)

今日:16 hit、昨日:114 hit、合計:90,973 hit

45話ー過去編①ーページ47

Aside

この世に生まれた時から､

俺は呪われていた｡

……母は大層喜んだそうだ｡

…そりゃそうだよな……

この呪いのせいで母も随分､

振り回されただろう｡

この呪いは､より強力な遺伝子を

求める為､子供が出来づらいから。

先祖代々､辛い思いをしてきただろう。

物心ついた時に､母から呪いのことを

聞いた…そこで母とは話がついている｡

"ここからは俺が全部受け継ぎます｡
だから､自由になってね｡"

……母は泣いて､抱きしめてくれた｡

その後俺は､母から別れを告げられ､

一人で生きていくことになる｡

この頃は父の顔すら知らなくて､

でもお金ならあったし､

不自由した暮らしはなかった｡

……いや､その時が幸せだったのかもな｡

出久やかっちゃん､焦凍も近くに居たし。

…10歳になった時､

勝手に家に入ってきて､

父は俺を押し倒してこう言った｡

"俺はお前の父親だ"

…そう言って俺の身体に触れて､

そういう事をされた｡

普通なら…父と子はこんなことしない｡

こんなのは可笑しい｡

今ではそう思えるけど､

愛に飢えた子供で､俺は疑うことを知らず､

それが愛情だと思って受け入れた｡

14歳頃に､五条悟という人が

俺の目の前に現れた｡

『…お…お兄さん…誰…？』

五条｢君のお父さんは呪術師なんだよ｡｣

『………じゅ…呪術師……？』

この人は何を言ってるんだ…？

呪術師……？…空想の話…？

五条｢そう｡君についてる呪いね～｡
…放っておく訳にはいかないから｡｣

『！………っ何で…知ってるの…｡』

五条｢俺も呪術師だからね〜｡｣

『……っ俺は』

五条｢…ヒーローになりたいとか言うの？
ウケるんだけど～…じゃあ､
いいこと教えてあげる♡｣

ふるふると震える俺に､

あの人は耳元で囁いた。

『……え？』

五条｢ヒーローは助けに来ないよ｡
…自分が自分を助けるしかないんだ｡｣

…現実を､叩きつけられた気がした｡

でも……確かにその通り｡

………口に出さずに､ヒーローがいつか

助けてくれるなんて……､

…………都合が良すぎだろ｡

…言い返すことも出来ない。

『……そう､ですね…父の所に連れて
行ってください｡』

自分のSOSを､

1番見落としていたのは…

俺だった。