死神と人間 (赤羽 業)

１２話。 ページ14

それから１ヶ月後。




本当に死神は毎日毎日四六時中くっついてきた。





ウザかったけれど、楽しかった。





素の私でこんなにも楽しいのは何年ぶりだろうか。





と、思った。





１ヶ月経って、変わったことが何個かある。




一つ目は、お互いを名前で呼び合うようになったことだ。


｢死神｣と呼んでいた名前を、｢カルマ｣と呼ぶようになった。

本名は赤羽業と言うらしい。




二つ目は、｢死にたい｣と思うことが少なくなり、｢生きたい｣と思うことがあるようになったことだ。

前のように常に考えているということはなくなった。


カルマと話しているときだけは忘れることが出来た。





そして三つ目は、私がカルマを好きになった。


ということだ。


あんなにウザかったのにまさか好きになってしまうとは思ってもいなかった。


｢死にたい｣と思っていたのが徐々に｢生きたい｣と

思い始めたのもこのせいだろう。



まあ、所詮は人間と死神。

それくらいちゃんとわかっている。


気持ちを伝える気も何も無い。

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