Titanic (ページ3)

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1912年4月10日、イギリス＿

私の隣に座る、ジャックは煙草を吸いながらトランプを見詰める

そして、私もトランプを見詰めていた

そう、私達は画家として成功する為にアメリカに向かう豪華客船タイタニック号へ乗る為のチケットをポーカーで手に入れようとしている

それも、全財産を掛けて…

「早くしろ、このアマ！」

「うるせぇんだよ！」

「タイタニックの乗客券を掛けるなんてバカなことすんじゃねぇ」

「黙ってやれよ、俺に任せとけって」

「スヴェン」

「1枚」

「よし、運命の瞬間だ。誰かの人生が変わるぞ…A」

私は、トランプを1枚出した

「ブタか？」

『ブタよ』

「オラフ…ダメか…スヴェンは？」

「ん～…」

「A…」

真剣な目でジャックは私を見詰める…
私は、嫌な予感がした

そんな…有り金を全て出したっていうのに…

『ジャック…』

しかし、ジャックから出た言葉は予想外だった…

「アメリカへ行くぞ！フルハウスで勝ちだ！」

曇っていた私の顔は一気に明るくなり私とジャックは喜びの声を上げる

私とジャックが喜んでいるとオラフがジャックの胸ぐらを掴んだ

「このままじゃ気がすまねぇ！」

私は『やめて！』と叫んだが…オラフはジャックを殴らずなんとスヴェンを殴ったのだ

スヴェンは「うっ！」と声を上げて椅子から倒れる

「ハハハ！行こうぜ！A！」

『ええ！まるで夢見たいよ！ジャック！』

「夢じゃないさ！アメリカへ帰れる！」

そう言って、ジャックは私に抱きついた

「間に合うかな？タイタニックが出航するまであと、5分だぞ」

店主はそう言うと時計を指す。確かに時計を見ると、出航するまであと、5分しかない

『まずいわ！ジャック！』

「急がなくちゃ」

私とジャックは、急いで外に出ると人が多くジャックは手を差し伸べてきた私はその手に自分の手を重ねるとジャックは走り出す

人混みをどんどん引き裂いていき、ものすごい勢いで走ってスロープを渡ると入口の前で船員に止められた

「君達、衛生検査は受けたか？」

「受けたよ。ノミやシラミはいない。アメリカ人だ、2人とも」

「よし、乗っていい」

ジャックが先に船に飛び乗ると手を差し出してくれる。私は、その手を掴むと船に飛び乗った

私は手を差し伸べてくれたジャックに『ありがとう』と微笑んで伝えると私の手の甲に口付けをし「これくらい当然」と返してくれた。その姿はまるで紳士の様だった