Titanic (ページ20)

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『はぁ…』

三等室のベットに横になるAはため息をついていた

まず、キャルドンの行動と発言に対しての怒り

そして…

『ローズは大丈夫かしら…？』

ローズが何もされていないかという心配の気持ちもあった。そしてなによりAを一番悩ませていたのはジャックとの喧嘩…

なんで本当のことを話せば良かったのに言葉が出なかったんだろう…キャルドンと話していたなんて言ってしまったら浮気だと思われるから？

最初からキャルドンのところへ行かなければこんなことには…怒り、心配、悩み、後悔などの色々な感情が混ざり心がぐちゃぐちゃになる

『こんな時、どうすれば…』

色々考えているうちにAは昨日眠れなかったこともあってか疲れ切ってしまい眠りについていた

パッと目が覚め腕時計を確認すると時計はもう夕方を指していた。ベットから降りて下の段を確認するとジャックはいなかった

『ローズに会えるかな…』

気づけばAは会えるかも分からないローズのところへ歩み出していた

今日の明け方、キャルドンに出会った一等のデッキのある場所へ移動すると朝の様に船員がいてAは引き止められたが…

デッキの向こう側からなんとAが1番会いたかった人…ローズがやってきたのだ

「A！どうしたの？！」

ローズはAの顔を見て驚いた。いつもは明るいAの表情がとても暗かったから…

「そっちに行くわ」

ローズは三等のデッキへとやって来ると二人で船の柵へ手をかけ話始めた

『ローズ、貴方に会いたいって思ってデッキへ行ったら貴方がちょうど来たから…』

「私も貴方に会いたかったの」

『ほんと？』

「ええ、貴方と話せば落ち着くから…」

ローズにそう言われAは少し笑顔になる

「貴方の悩み聞かせて？随分、思い悩んでるみたいだったから…」

『うん、あのね…』

Aは全てをローズに話した。何も隠さずに…キャルドンに呼び出されネックレスを渡されたことジャックとそのネックレスで喧嘩になったこと…

「そう、そんなことが…」

『でも、明け方にホックリーと会ってしまった私は浮気女と一緒…だからこうなって当然なのかも…』

「A、ジャックにもちゃんと説明するべきよ。ジャックはきっとそんなことで怒ったりする訳ないわ。まだ出会ったばかりだけど私分かるもの」