Titanic (ページ19)

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気づいたらAはキャルドンに向かって怒りを顕にしていた

「君を初めて見た時から私の心はA、君に動いていた。ローズ？そんな婚約者、私に取っては召使いも同然だがな。君が私の妻になってくれたら嬉しいのだが…」

『ふざけるのも大概にして！もし、私を妻にしたところで貴方の家の財産はどうなるの？私を妻にしたところでなんのメリットもない…それにローズだって貴方を好んでいないわ』

「ふっ、そうか、ローズも好んでいないのならこうして君を妻にしようとしてもいいじゃないか？何を怒る必要がある？」

『私は何があっても貴方の妻にはならないわ。ジャックという最高の彼がいるのよ。それを超えることなんて出きっこない』

「どうだかな？今に見ていろ。私の気持ちとしてこれは受け取って欲しい、ローズに手を出されたくないならな」

そう言ってキャルドンは私にネックレスを渡してくる

『分かったわ、その代わりに絶対にローズに手は出さないで』

私はそう言うとキャルドンからネックレスを受け取り足早に一等のウッドデッキから去っていった＿

一等のウッドデッキから去って行った後も怒りを抑えることが出来なかった

.

「なあ、A。今日の明け方どこに行っていたんだ？」

朝＿

ジャックにそう尋ねられ私は答えられずにいた。だって、キャルドンと会っていたなんて言ってしまえば…

しかも、そう尋ねるジャックの声はいつもと違って怒っている様子だった

『船酔いしてしまって、気分が悪かったから外の空気を浴びていたのよ』

「じゃあ、このネックレスはどうしたんだ」

そう言うとジャックは私のコートのポケットに入れてあったネックレスを取り出したのだ

『それは…』

「答えられないか？」

『っ…』

「A、君がそんな子だなんて思ってもいなかった」

『違うのジャック！』

「違う？今日の明け方いなくなってネックレスまである、それにAは聞いても何も答えない…ここまで証拠があるのに言い訳なんてされても信じられると思うか？

君もお金に目が眩んだんだろ、A？
その男のところに行けばいいじゃないか」

そう言うとジャックは三等室から出ていってしまう、私はジャックのあとを追いかけジャックを止めようとするが話を聞いてもらえる訳もなく…

『ジャック！』

「悪いけど一人にさせて欲しい」

ジャックはそう言ってどこかへと姿を消してしまった

Aとジャックは出会ってもう十数年…
そんな2人の生まれて初めての喧嘩だった＿