その鐘を鳴らすのは (ページ1)

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プロローグページ1

私の父は私が幼かった頃に亡くなり母が1人で私を育ててくれた、母はジプシーという民族だった

ジプシーはスリを犯したり周りからの評判はとても良いとは言えるものではなかった

だけど、母はスリなど絶対にしない。人前で踊ってはお金を稼いでいた友好的なジプシーだった

しかし、私が6歳になった年にパリの街で母は殺された。

亡くなったと聞かされたあとの私は行き場もなくただ途方に暮れる毎日を過ごしていた

しかし…

そんな優しかった母の周りにいる人達は優しい人ばかりだった

「今日から一緒に暮らそう」

そう言って優しい笑みを向けるのはエスメラルダという少女とその母親だった。

エスメラルダの母は私の母と仲が良く、私もエスメラルダと昔から遊んだり、ジプシーのダンスを習ったり一緒に過ごしていた

エスメラルダの母は私を何も言わずに抱きしめてくれた

私は久しぶりの人の温もりを感じ目から涙が出るのを感じた、母が亡くなってから数日、感情というものをなくしていた

「…お、おかぁぁあさん…」

泣き続ける私をエスメラルダの母はただずっと抱きしめ頭を撫でてくれていた。この日から私はエスメラルダの家族となった

そんな悲劇の日から10年の月日が流れた＿

エスメラルダと私は16歳になっていた

「A行きましょう」

そういって私を見つめるエスメラルダはとても美しく勇敢だった