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教室の中は真っ暗
.
だけど
何か…いる
人?…わからない
「うらたさん、離さないでね」
「分かってる」
そう言うと、さっきより力強く握られた
この中は気分が悪くなる
気持ち悪い
この空気に飲み込まれそうだ
「はぁ…はぁ…」
「うらた、さん?」
「ちょっと、気分が」
「やっぱ、出よ!」
「まふがここにいるかもしれないんだぞ!!
アイツを見捨てることになる
このまま行く」
うらたさんは、優しすぎる
.
真っ暗だけど、うらたさんの目はしっかり僕の目を捕らえていた
うらたさんの有無を言わせないところ、苦手だな
「頭がボーッとする」
「うらたさんがいなくなったら、ダメですよ」
「ははっ、んなのわかってる
Aを1人になんてしない」
こんな時でも人のことを考えてくれるところは
好き
「っ…相川先輩!いますか!」
僕ばかりお荷物は嫌だ
自分から始めたことだ
少しでも、役に立てれば
「先輩!!相川先輩!!」
声も張れないくらい、この中は変な空気で充満している
目が慣れてきて、周りが大体見える
「普通に、教室だ…」
.
机に軽く触れる
すると
急に周りが明るくなった
「うっ」
うらたさんも光にやられ、1歩後ろに下がった
.
目を開けると、40人の生徒が
机に座っていた
「うらたさん、どいうこと…?」
「わからない」
先生らしき人が教卓にいたため
話しかけようとすると、声が出なかった
「うらたさん、うらたさん」
声はでる、けど…あっちには聞こえてない
ということは、誰かの
断言は出来ないはずなのに
なぜか、そう思う
「楽しそう」
しばらく見ていると
「あい、かわ…先輩?」
先輩が、机に座って楽しそうに話している
「先輩!!」
「ばか!こっちの声は聞こえないんだ」
なんで相川先輩が
先輩…!
「先輩!相川先輩!!!」
うらたさんの腕を振りほどき
相川先輩の近くに行く
「先輩…帰りましょう?」
先輩を触ろうとした瞬間
倒れた
「A!」
「触れない、全部…」
机や人を触ってみるけど、全部
すり抜ける
「本物の…先輩は?」
「どうなってんだ」
.
立ち上がろうと思い、たった瞬間
また場面が変わった
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作者名:羚於 | 作成日時:2017年3月23日 10時