北上中学校と坂の謎

プロローグ　北上市の改革 ページ1

冷たい風が暖かくなり始めた頃。

北上市は、政令指定都市と言い、人口が５０万人を超えた市に認定された。

今まではそんなに人が多いわけではない。むしろ少なかった。



しかし、北上市の市長の言葉と、商店街の人の思いにより、改革を始めたのだ。

前から活性化させようと思っていたのだが、行動に移さなかったわけは、近いうちに

春休みがやってくるからだ。

春休みならば、イベントを開けば多くの人がやってくる。

春休みの初日からイベントを開き、春休み中はずっと街をお祭り騒ぎにする。

経済の活性化にもつながるという利点もあった。



まず、ほとんど店が閉まっている商店街に、新たな店を入れ、活性化を図った。

次に、商店街をメインとしたイベントを開き、多くの人を呼び寄せた。

そこで、北上市の名物『北上織』を紹介したのだ。

北上織は、その名の通り織物だ。手作業で作られていて、多様なデザインを作り出せる北上織は、

北上市に来た人々をたちまち虜にした。

最も大きかったのは、ショッピングモールの建設。

元々工事は進んでいたため、工事は春休みの間に終わり、４月１日にオープンした。



大がかりなものだったが、実際人は多くやってきて、北上市そのものが有名になった。

北上市に定住する人も増えた。



人口増加により、小中学校も大きく変わった。

それを見越して、先に小中学校を増築しておいたのだ。

この話の舞台、北上中学校は全校生徒が五百人を超えるほどの巨大中学校だ。

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