温度 ページ27
.
大門「…というわけで本日はみんなありがとう!」
本日何度目かの長いスピーチが終わり、パーティーは終了となった。帰る人たちもいれば、まだ会場で会話を楽しんでいる人たちもいる。
私はというと、バーの閉店作業のためカウンターから出て、周りの掃除を始めていた。
『(ここが終わったら、裏に行って佐津さんの手伝いを…)』
?「すみません」
『申し訳ございません。バーの営業は終了…あ、』
バーの営業時間を知らない人かと思い、断りのために顔を上げるとそこにいたのは…
『光原先輩のお母様…』
光原先輩のお母さん…光原とも子議員だった。
とも子「あら、やっぱり紘基と知り合いなのね?さっき随分仲良さげに話していたから…」
『あ、えっと…光原先輩には、学生執行部でいつもお世話になっております』
とも子「そう。お名前を聞いても?」
近くで見るとなんだか気迫があるというか…柔らかい表情をしているのに体が強張る。
『はい!春野Aと申します!』
とも子「春野Aさん、ね」
名前を反復しながら、目線が私の顔、体、足元へと順に動いている。
『あの…?』
とも子「このバーで働いているの?」
『え、あぁ…はい、そうです。週に1回ほど』
とも子「週に一度ね」
肩に手を置かれる。
とも子「紘基は私にとっても、この県にとっても大事な子なの。くれぐれも…よろしくね?」
『!!…はい…』
とも子「それでは、頑張ってね」
笑顔で会釈をされ、自然と自分の頭も下がる。上げたときには既に背中は小さくなっていた。
『…かたづけ、しなくちゃ…』
会場が静かになっていくとともに、冷えていく心。
『(なんだこれ…泣きそうだ)』
.
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みびみやこ(プロフ) - おバカな莉久(サブ)さん» はじめまして。凄く好きだと言って頂けてとても嬉しいです!必ず完結までいきつきますので、お待ち頂けますと嬉しいです。これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2022年2月10日 19時) (レス) id: e70206d298 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな莉久(サブ) - はじめまして!このお話凄く好きです!更新再開(?)おめでとうございます!無理だけはしないでください!これからも更新ゆっくり待ってま〜す! (2022年2月9日 22時) (レス) @page38 id: ddd40ab2e7 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - みびみやこさん» わああっおかえりなさい、待ってましたー!ゆっくりで全然大丈夫なので、無理せず頑張ってください…! (2022年2月8日 1時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 返信が遅くなり申し訳ございません。この度、更新を再開しました。待っているという言葉、すごく励みになります!更新頻度についてはゆっくりではありますが、完遂しますので最後まで見守ってくださると嬉しいです! (2022年2月6日 21時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - 更新停止…寂しい…でも私はいつでも待ってます!って言ったらプレッシャーになっちゃうかな…もし戻ってきたら私も戻ってきます、この作品を忘れません!ってことです。リアルでの生活も、無理しないように頑張ってください…! (2021年12月27日 22時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みびみやこ | 作成日時:2021年9月28日 14時