まずは映画を見に行きませんか？2【名前変換オリジナル】

動揺 ページ3

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紘基「あー…じゃあ、い、行こうか」



はい、と返事をして振り返る。ところで…さっきから光原先輩がなんだか変なのは気のせいだろうか。光原議員のことを私に知られたことが、そんなにショックだったんだろうか。



『光原先輩、どうかしましたか？』

紘基「え！？な、なんで！？」

『いや何かご様子が…』

紘基「え、あぁ…だよねぇー…」



光原先輩が顔を覆いながらしゃがむ。



紘基「いやぁ、ごめんホント…。その、俺知らなくて…」

『え？』

紘基「春野さんが、俺のことその…議員の息子って知らなかったこと」



気まずそうな声…。



紘基「知ってたから…その…好き、とかそういうの言ってるんだと思ってた」

『…はい？』

紘基「…」

『…えっと、あの…議員の息子ってそんなに重要ですか？』

紘基「え？」

『いや、その…失礼だったらすみません！でも、関係なくないですか？そういうのって』



議員の息子だから告白するとかある？お金とか名声目当て…とか？うーん、ピンとこない。



紘基「そりゃあるよ！だってここら辺の人はほとんど俺を知ってて！いつの間にか有名人になってて…。今日みたいなことも少なくないんだよ。みんな、俺は光原議員の息子だ、ってそう言う」



あんな囲まれるみたいなことが何度も…！？



紘基「例えば…先輩もそうだった。すごくベタベタしてきて…」

『(元○○学科の学生執行部の先輩の話、かな…？)』

紘基「でも結局、一緒にいることでテレビに取り上げられたい。あわよくば彼女と思われるのが目標って言ってた。まぁその後、家の事情で大学からいなくなったけど。でも…そういう人ばっかりなんだよ。わかってるんだ…」



夏希先輩は、幼いころから光原先輩は議員と一緒にテレビに出てるって言ってた。だから…当たり前なのかな…そういうのが。だとしたら…すごく寂しい。



紘基「だから…わからないんだよ。なんで…議員の息子って知らないのに…俺に好きなんて言ったの？」

『…私は、光原先輩だから好きなんです。努力家なところ、優しいところ、何にでも真剣に真面目に
取り組むところ…そんな、光原紘基さん自身が！好きなんです！！』



親がどうとか、有名かどうかとか、そういうの関係ない。



紘基「俺、自身…。…っ！！」



あれ、光原先輩真っ赤…。


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