夏祭り4 ページ46
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せっかくだしこれからも律くんと呼ぼうかな、なんて思いながら木村先輩と合流し、グラウンドを歩き回る。ステージ上では大門さんが、ステージパフォーマンスを盛り上げている。他にも道中、マスコミ関係者を多く見かける。
夏希「春野さん、もう1人でも大丈夫そうだね」
『え!?』
夏希「さっき私がいなくても、迷子とかトラブルの解決ができてたでしょ?準備のときからこの1ヶ月ですごく成長してる」
ぼーっとした思考を振り払い、ありがとうございます!と頭を下げる。嬉しい…。
夏希「じゃあ、そんな成長した春野さん。今まではトラブルでだったけど…今から、わざと1人にしてもいい?」
『わざと、ですか…?』
夏希「もう夜になってきたし、私だけがご飯休憩30分…いい?」
30分…。正直、すごく不安だ。でも…
『はい!1人でやります!』
夏希「どうしてもの時はインカムで呼んでね」
トラブルで、ではなく、しっかりとこの場を1人で任された。これは、信用と期待の証。しっかり頑張らないと!
『(しっかし客足多いなぁ)』
夜ご飯の時間なこともあってか食べ物や飲み物の屋台には、どこも大量の列が出来上がっている。
『(美味しそうな匂い…。よだれが出そう)』
「「キャー!!!♡」」
ステージの方向から聞こえた黄色い声に、屋台へと釘付けになっていた顔が自然と振り返る。
『(あっ、Ryuさんだ)』
この夏祭りの大物ゲスト、シンガーソングライターのRyuさん。大門さんもいないステージ上で、1人トークを進めている。お客様もマスコミも一気にステージ前へと詰めかけ、ステージ係が一丸となって柵を抑えているのが見えた。私も何かできないだろうか、そう思うと足が動き出した。
『見回り係です!何かお手伝いできませんか!?』
ステージ係「ありがとう!一緒に柵を抑えて!」
『はい!』
力をこめて抑えるものの、所詮は一人分。ギィと柵が音を鳴らし、こちら側に傾いてくる。まずい、倒れる…!
Ryu「みんな!係の人が大変そうだ!少し柵から離れてあげて!マナーは守って、聞いてくれたら嬉しい」
正に鶴の一声。ファンもマスコミも柵から離れて聞きだした。ステージ係から、見回りに戻っていいよと指示される。わかりました、とそこから離れて歩き出そうとしたとき、
?「春野さん!」
声のした方を向くと、大門さんがステージ横のテントから顔を出し、手招きをしていた。
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時