夏祭り3 ページ45
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『…と、紀元くんに助けて頂きました!せっかくのご家族の時間を奪ってしまい申し訳ございません』
律「春野さん!本当にいいんだって!」
ステージ前の、焼き鳥や缶ビールなど多くの食べ物が軒を連ねるテーブル。そこに座っていた、紀元くんと鼻や口元がそっくりのお父様、目元がそっくりなお母様に向かって頭を下げる。
律母「ふぉんなことひひのふぉ」
律父「母さん…焼きそばを食べながらじゃ伝わないよ笑 そんなこと気にしなくていい、って。僕だっ
てそう思ってる。律が助けになって良かった」
律母「美味しくてつい…。春野さん、そのタスキつけてるってことは見回り係でしょう?忙しい中わざわざありがとうねぇ」
紀元くんの優しいところはご両親に似たんだなぁ、なんて思いながら頭を上げ、ニコニコと優しそうな笑顔を見て、また遺伝を強く感じた。
律母「それよりこんなに可愛らしいお嬢さんと知り合いなんて…。隅に置けないわね、律!」
律「え、ちょ、ちょっとやめてよ…!」
軽く小突くお母様を制止する紀元くん。律が可哀そうだろ、と言葉だけで止めずにニコニコ見ているお父様。…あたたかいなぁ。
律父「春野さん」
『は、はい!』
律父「よかったらこれからも、この子と仲良くしてやってね」
『私でよければもちろん!』
律母「ありがとう、よろしくねぇ」
もう一度、頭を下げて見回りに戻ろうと歩き出す。
『(あ、そうだった)あの、紀元く…』
名字を声に出すと、紀元くんだけでなくお父様とお母様もこっちを振り返る。
『…律くん!甚平も髪型もすごく似合ってるよ!かっこいい!夏祭り、楽しんでね!!』
手を振って見回りに戻る。よかった…。ずっと思ってたのに言うタイミング、なかったから。
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―no side−
律母「あらぁ!春野さん、いい子ねぇ!ね、律?」
律「…」
律父「律?…あぁ、真っ赤だ」
律「いや、これは…!!だって、今までずっと名字で呼ばれてて…!それに、かっこいいって…!!」
律父母「「いやぁ、若いっていいね!!」」
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みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます!書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです!こだわっていきたいと思います!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている! (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い!?!?ありがとうございます!少しずつではありますが進めていきます!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです!無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます!これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです!今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2020年9月18日 23時