東大王に私はなるっ！

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なんだか今日はいろいろありすぎてる。ピンチっぽいのは全て切り抜けられているとはいえ、こんなにヒヤヒヤすることが重なるだろうか。ただでさえ、このセミファイナルで私は何回もヒヤヒヤすることになるのに…。


A「(勝ち上がる人がわからんとだけん…)」


机の中でタブレットの電源を入れる。周りの動きが止まったのを確認し、タブレットを見る。何度確認しても、未来予定帳には勝ち上がる人が記載されていない。新東大王が水上さんになるかわからない。もしかしたら他の人になる可能性が十分にあるのだ。


A「私は…水上さんが大将の東大王ば見始めて、好きになったけん…変わって欲しくないなぁ…」


独り言を呟き、今後の出題される問題を確認してタブレットの電源を切った。周りが動き出す。


A「水上さん…よろしくお願いします。頑張りましょう！」


水上さんが新東大王になるための激励も込めて、言葉をかけた。


水上「うん、頑張ろう」


真剣な眼差しに、心が撃ち抜かれたのは無視し← 水上さんと握手を交わした。


水上「……」


水上さんが握手した途端に、動きを止めたのがわかった。タブレットが起動したのかと思い、慌てて周りを見渡すと他の人は動いている…。っていうことは


A「(なんかの理由で水上さん、固まってる？)」


でもなんかって言っても、今してるのって私との握手だけだし…握手がなんかダメなんか！？！？手汗か！？手汗なのか！？


A「み、水上さん、あの…」

水上「……あ。ごめん」


水上さんはそう言うと、私と目を合わせず解答机に戻った。…結局、なんだったのか。


スタッフ「では、セミファイナルの撮影開始しまーす」


セミファイナルが、始まる。スタッフさんの声に、私はそれまでの疑問の気持ちが吹き飛び、全身に自然と力が入った。


ナレーション「東大王決定戦、セミファイナル！」


私はここで水上さんに負け、水上さんが新東大王になることを願う。


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