No more dream (ページ14)

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『さよなら』

｢さよなら！｣

．

家に入る前

家の中から大きな物音が聞こえる

こんな大きな音は久しぶりに聞いたかもしれない

このままどこかへ行ってしまいたいと思ったが

僕にはそんな居場所はないから入るしかないんだ

意を決して鍵を開け、ドアを開けると正面に何かが飛んでくる─────

『いて…』

目を覚ますと部屋のベッドで寝ていた

家に入ってからの記憶がない

どうやってここまで来たんだ？

するとコンコンとドアを叩く音が聴こえる

『は、はい？』

｢俺、ホソクだけど入るよ｣

『あ、ヒョン』

｢体は大丈夫か？｣

『う、うん。多分大丈夫だと思うけど…』

｢そうか、良かった｣

『ヒョン…』

｢母さんと父さんが大喧嘩してて父さんが投げた椅子がちょうどお前に当たったみたいで…｣

『そ、そっか』

いつものことだし平気平気。

そう思ってていても

改めて感じる痛み

それは椅子が当たったからじゃない

『しょうがないよ、ヒョンと違って出来の悪い僕は』

こういう運命なんだよ、ヒョン

そんな心配なんて要らないよ

もう遅いから

『ヒョンごめん、出て行って』

｢うん、ごめんな｣

そう言い残すと悲しそうに僕の部屋を出て行った