【 逃げないと 】 ページ6
『はぁッ、はぁ、』
??〔次は抉り出し〜抉り出しでーす〕
隣の車両にも人はずらりと並んで座っていた。代わり映えのしない景色に嫌気がさす。
さらに隣の車両に逃げようとした瞬間、またあのアナウンスが。
プシュー
『っ!』
後ろの貫通扉が開く音。振り向くと、あの猿の化け物が。
やっぱり追ってくるよね。知ってた。
さらに隣の車両に逃げようと貫通扉に手をかけるが、開かない。
『なんで、、』
グチャ 、と嫌な音。音の方へ視線を向けると、後ろから何番目かの人の目玉と臓器を抉り出していた。
人が殺されていくスピードが早い。
あと何回かすればもう私の番。
どうすれば、、、?
『っうわぁ?!』
重心が傾く。持たれていた貫通扉が開いたんだ。
貫通扉は人が最低でも1人死んだら開く、って感じなのかな。
取り敢えず、限界まで逃げ続けるしか無いよね。
体力が残っている間に、と他の車両に逃げ続けた。
−−−−−−−−−−−−−−−
かなり走った筈。なのに、、
『なんで景色が変わらないの、、?!』
隣の車両に移動したと思ったら、足元の血溜まりも、並んで座っている人の顔も全く同じ。
さらに隣の車両へ、と真ん中より奥へ足を踏み入れれば、あの猿の化け物が後ろに現れる。
成程、、、
『無限ループって怖くね?!?!』
どれだけ隣の車両に移動しても状況は変わらない。と、言うか、どんどん並んで座っている人は猿に殺されていく一方。
悪化してるってばよ、、、!
??〔次は挽き肉〜挽き肉でーす〕
ウィーン、と機械の音。
もう、この後起こることの想像がついてしまう。
早く、早く次の車両へ行かないと。
人がミンチにされる不快な音を必死に無視しては、隣の車両にまた逃げ出した。
??〔また逃げるんですか〜?次はもう、最後だよ〕
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作者名:珈琲の民 | 作成日時:2023年5月3日 7時