桜舞う、初恋プリンシパル。(S.DAIKI) (ページ17)

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涙ページ17

那魅風 Aside

みんなが来てから１ヶ月ほど経った。

私はまだ怖くて学校に行けてない。

今年こそは変わるんだって決意したのに…

A｢なんでこうなっちゃったんだろ…｣

ぽとり、と零れた言葉は私ひとりしかいない部屋の中で響く。

いつもは狭く感じる私の部屋も、ひとりで小さく体操座りしていると広く感じる。

A｢失敗…しちゃったな…｣

力尽きたように、あははっと苦笑する。

我慢していた涙もこぼれだし、膝に顔をうずめる。

その時、

コンコンコン

ドアのノック音が聞こえた。

A｢ﾋﾞｸｯお、おかあ｢俺や｣…じゅ、淳太くんか｣

さっきまで泣いていたから、今は酷い顔。ドアを開けようか迷ったけど

淳太｢このままでええから、聞いてくれへん？｣

淳太くんは気を使ってくれたのか、そのままにしてくれた。

しばらく沈黙が続くが、淳太くんがそれを破る。

淳太｢A、学校来おへん？｣

……え？

淳太｢びっくりするし、怖いのも分かってる。けどな、１回来てみぃ？俺からはそれだけ。

んじゃ、明日家の前で待ってるから。来るかはA次第やで。

変わりたいって思ってるなら、自分で扉を開かなあかん。そして、自分の目で確かめてみい。｣

それだけ言って淳太くんは帰ってしまった。

正直言って、驚きしか残っていない。

学校に行く？

そんなの、また芹沢さんにいじめられちゃう。

怖いに決まってる。

私はまた顔を膝に埋めた。