Song love【短編集】

〜ゴーストルール〜(S.DAIKI) ページ32

華乃美｢え、そうなの！？凄いね！｣




A｢うん…ありがとう…｣





私はまた一つ嘘をついた。




どうでもいい嘘を積み重ねた私はもう普通の私には戻れない。





〝大嘘つき〟者になってしまった。






嘘をつくことは永遠に許されない罪深いものだと自覚している。



私だってもう辞めたいの。




でも、嘘をついてしまう。






その嘘で何かを奪ったり、奪われたり…







一人になるために屋上へ向かった。




ガチャ




扉を開けるとヒュッと風が私を通り抜けた。






A｢ハァ…｣




〝大嘘つき〟の私は今日も本当のことを言えないのに、君を思ったように騙せれない。



嘘をつきすぎて、腐ってる私にはもう何が嘘で、何が悪いことなのか分からない。




結局、今日も本当のことを言えないまま、また嘘をついてしまった。



A｢もう、嫌だよ…ｯ｣




〝メーデー〟



意味は【迷ったから助けに来て】





誰か…助けて…




？？｢大丈夫か？｣




頭上から声が聞こえた。




そっと顔を上げてみるとそこには




A｢重岡…？｣



大毅｢…なんかあったん？｣



優しく、心配しながら聞いてくる。



そう聞いてくれて、嬉しくて、ホッとして、胸がドキッとなった。









助けて。



助けてほしい。






そう言いたいのに…




A｢…別になんでもない｣




って言って君を突き放すんだ。




大毅｢ホンマに？｣



A｢ホントに。あっち行ってよ｣



大毅｢分かった。じゃあな。…なんかあったらいつでも言えよ｣






あぁ、行かないで。助けてほしい。



本当はそう思ってるのに…



また嘘をついた。



重岡ありがとう、そしてごめん。




私は〝大嘘つきなピエロ〟なんだ。




誰かこんなどうしようもない大嘘つきの私を叱ってほしい。

罪深い嘘をついた私を裁いてほしい。


じゃないと私は最後まで甘えてしまう…。



A｢本当の自分って…誰なの？｣




誰か教えてよ。



誰か助けてください。








_____________________________________________




先生｢えーっと、重岡大毅くんは家の事情のため引越しされました。｣




クラス全員｢えぇッ！？／そんなぁー！｣




重岡、引っ越しちゃったんだ。





重岡には本当のことを言いたかった。




けど、言えなかった。





やっぱり私は〝大嘘つき者〟だ。




いつまで続くんだろう…

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