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大貴の目からはポロポロと涙が流れはじめた。
「大貴...」
「っ、ごめ...」
私はゆっくりと大貴の背中に触れた。
「ずっと抱え込んでるんでしょ。良かったら教えて?大貴の苦しみ、少しでも減らしたい」
「俺の親は...もう...いないんだ。どれだけ悔やんでもあの日には戻れない...。親が死んだのは...俺のせいなんだ...!」
歯を食いしばって、涙を流しながら話してくれた。
「俺が中学の時反抗期で...俺、親と喧嘩して家出ちゃったんだよ...。何時間も家に帰らなかった」
「うん...」
「親は心配して、俺を探すために車に乗って走り回った。周りを見るのに気を取られていた親は...意識を失った運転手が乗っている車に気が付かなくて、そのまま接触したんだ...」
「土手の下にいた俺は、ばあちゃんからの電話で俺を探しに出た親が死んだって知らされた...だから...全部俺のせいなんだ...!」
あんなに明るくて、太陽みたいな大貴。
苦しんでるなんて一切感じさせなかった。
それに気がつけなかったのが悔しい。
「っ、あの日に...戻りたい...!」
大貴は震えていた。
「...話してくれてありがとう。辛かったよね」
こんなことしてもいいのかわからないけど
私はゆっくりと大貴に近付いて
そっと大貴を抱きしめた──
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宏太の嫁(プロフ) - 来ました!ばぁなぁなぁです! (2018年2月25日 23時) (レス) id: fae8fe3009 (このIDを非表示/違反報告)
有山はな - ふわさん» これからどうなっていくのか、ハラハラします!これからも応援してますっ。更新頑張ってくださいね!! (2017年5月7日 22時) (レス) id: 98b76cf8c3 (このIDを非表示/違反報告)
ふわ(プロフ) - 有山はなさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです...!これからも宜しくお願い致します! (2017年5月6日 8時) (レス) id: b25761bd31 (このIDを非表示/違反報告)
有山はな - 続き気になります!ふわ様のペースで頑張って下さいね。応援してますっ (2017年5月6日 6時) (レス) id: 8f2d631f3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわ | 作成日時:2017年3月1日 15時