【後悔先に立たず】shao ページ7
幽霊ってまではいかないけど、そう形容しても良いくらい影が薄かった
出席のときは必ず名前をとばされる 体育のペアなんて作れたことない その他色々 そこに私が存在しないみたいに世界は動いてた
唯一の救いといえば、ペットのシロが私に気づいてくれること
いつからだろうか、そうなったのは
自分でさえ覚えてない
思い出そうとすると頭が痛くなるから普段はしないけど、夜だから なんて理由をつけて思い出そうとする 夜はしみじみした気持ちになるから嫌いだね
朝、いつも通り学校に行く
変わらない、反応もない
そんないつもの事なのになぜだか今日は涙がでる
哀しい
そう思ったとき おはよう！って明るい声が聴こえた
目を慌てて擦って振り向くとニット帽の彼がいた
そうだ、彼は、隣の席の____
おはよう、
って返そうとした
でも、言えなかった
一人の女の子が言う
シャオロンくん、忘れてなかったんだね…
他の子が言う
忘れるわけないでしょ…幼馴染みだったんだもん
また
もう3年も経ったのか、
彼女が死んで…
え、今なんて
死んだ？私が？そんな、わけ
否定したかった でも出来なかった
自分の姿を視れば所々透けた身体と
時間の止まったままの制服のリボン
周りは緑なのに自分だけ赤い朱い紅いリボン
机に乗った仏花の活けてある花瓶
これだけ自分が死んだ証拠があるのにまだ受け止められない 理解できない 脳が正常に働かない
嘘、だよね
その言葉と共に彼に手を伸ばした
虚空に散った手
触れられない そこでやっと脳が理解を始める
あ、私は死んだんだ って
ぽろぽろと涙が溢れる
なんで死んだのか思い出せなかった
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作者名：古木 | 作成日時：2018年4月30日 23時
