【wrwrd!】目を閉じたら【短中編集】 (ページ34)

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【結局恋に賞味期限はない】tntn ページ34

時間が解決してくれるというようにそれまでにあった熱も時間が奪っていった
中学のとき、その瞳が好きで恋をしたその声が好きで恋をした貴方の優しさが好きで恋をした
貴方に恋をした
触れたところからじんわりと人肌の温度へそして、やけどをするまでやけどしたって貴方だからなんて臭い台詞を言えるほどまで温まった恋心だったのに

久しぶりに見た彼は変わってなかった年中してる赤いマフラーも赤縁メガネも
外見も背が少し伸びたくらいそんなの、違う学校だったから詳しくは分かんないけれどその声も瞳も好きだった頃と変わってない
そのはずなのに、どうしてこんなにも怖い
その瞳で見られるのが怖いその声で名前を呼ばれるのが怖い
愛しかったはずの存在がとても怖い

手放したのは自分だ彼に対する恋心を自分でなかったことにした
辛かった、苦しかった幸せな時間が過ぎていくのが辛かった

『もうすぐ、卒業、だね…』

「そうやな。」

この一学期がなくなれば春が来て、卒業する学校が別々になる私達にとって卒業は幸せの終わりだ
別々の学校の生徒同士が会うことなんて少ない前のように毎日顔を合わせることなんてなくなる
それが何より辛かった辛くて苦しくて泣きだして、そんな自分が惨めで仕方がなかっただから捨てた自分のために
振られても残っていた恋心をそっと捨てた
そして時間に任せて忘れた

しかしどうだろうか時間が経って冷たくなった現れた恋心は、忘れられずとても怖かった
愛しかった存在が怖く感じた

彼は何も変わってなくて、恋に恐れてるから怖がっているだけだってどこかで気付いてる