【wrwrd!】目を閉じたら【短中編集】 (ページ27)

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【ドミノな関係】knsm ページ27

ドミノは脆い
カラフルのその一つに触れてしまえばカラカラと音を立て崩れてしまう
止まることなく最後まで倒れれば元通りにするのは難しいだろう

私は崩れるのが怖かった
彼との関係は
それは軽くて脆くてドミノみたいだから
私はただ必死にそれが倒れないように彼と話す
夕焼けに照らされた彼の横顔を見ながら浅はかな知識を散りばめながら相打ちを打つのだ

「んでな！やっぱりな！って…A？どうしたん？」

急に話しかけられるドキリとする
今日は涼しいはずなのにたらりと汗が垂れた気がした

『え、大丈夫だよ！どうして？』

先頭のドミノがカタカタ揺れる
一歩間違えれば崩れてしまう
必死になって抑える

まだ、まだ崩れないで

「いや、ぼーっとしとったから。なんや、知らん話やった？」

彼の水色の瞳がスッと細められる
淡い水色が影を帯びた気がした
光があれば影も出来るそのせいかもしれない気のせいかもしれない
見間違いだったとしても私の不安を煽るのに十分なことなのだ

『ううん！！ちょっとぼーっとしてただけ！夕陽綺麗だなーって…』

苦し紛れの言い訳を言えば彼はチラリと夕陽に目を向ける
しかしすぐこちらに目を戻し話を続ける
外の景色なんて興味の無い人だって分かってるのに、焦りからか自分でそのドミノを崩す行為に走ってしまった

「こうや！と思うんよ、Aは？」

『うーん、そうだね私もそう思う！』

彼が話してることなんて詳しくは知らない
ただ彼の興味があることを上辺だけなぞり脳にいれてる彼に意見を求められたって同意しか出来ない
情けないとは思う
だけど彼が笑う姿を見れるならそれが全てだから
軽く脆いドミノな関係を保ちたいのだ

だから今日もドミノを建てて守る