【wrwrd!】目を閉じたら【短中編集】 (ページ23)

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【ねぇ、神様】snpi ページ23

私の隣には神様がいる
伸びたTシャツとゆるゆるのジーンズ
頭には天使の輪っかみたいなのがあって顔は布で隠してあった
髪は薄い水色でふわふわした触り心地目の色は知らない

神様なのになんで触れるんだろうなんて疑問は昔に消えた

「な‐ぁ、外出えへんの？？」
『出ない、出たくない』

間伸びた声で聞いてくる神様
外は嫌い、黒いものが渦巻いて喉を締めてくる
目がいっぱいあってこちらをギョロリと見てくる、気持ちが悪い

「外出えへんと、背伸びんよ？せめてカーテンでも開けよ-よぉ」
『背が伸びないなんて、余計なお世話だよ神様。カーテンも開けない』

一つの箱にずっと眠っていたい
自然光なんて無視して、外から聴こえてくる声なんて耳を塞いで
人工の光の下、私は眠りたい

親は遠に私を諦めた
捨てられたものみたいなものだ

「そんなことないで、Aの家族は君をいつでも待ってるで」
『人の心勝手に読まないでよ…』

そこで発揮するなよ神スキル

『待ってる人なんて、本当に居ればいいね』
「ちゃんと待ってる人は、っ…」

なんで言うのを止めたんだろう
そう思ったら自分より大きな身体で抱き締められた
暖かい、温かい

「俺が居るから、なぁ」
『神様が居たら何でも出来そうだね』

人の温もりは久しぶりだった、人じゃないけどね

『ねぇ、神様』
「なぁに？」
『神様は私を殺せない？』
「無理やで、神様な見守る存在だから人の死はその人の運命やから、神様が介入するなんて出来ないんやで」
『そっか』

運命か、そっか

「もう寝るん？」
『うん、もう寝る』
「そっか、おやすみ」
『うん、おやすみ』

冷たいコンクリートと赤い地べた
いつか見た景色に私を重ねる
もうじき、同じになる

ねぇ、神様
本当は貴方で終わりたかった
きっと楽になれたんだろうね、でも無理なんだってね
ごめんね、神様