【wrwrd!】目を閉じたら【短中編集】 (ページ21)

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【スポットライトの下の彼女】eml ページ21

薄暗い舞台の上に一つのスポットライト
ライトに照らされた彼女は知らない人でした。

笑う、怒る、泣く、悔しがる、コロコロと人間特徴の様々な感情を纏った彼女
ひとつひとつに魅せられ惹かれる
彼女が彼女ではないように、それは確かに彼女なのだろうがそれが不思議に感じるくらい。誰かが彼女を演じているかのようにまで感じる。
舞台上の彼女は誰なのか。そう思うほど彼女は知らない人であった。

彼女は自分の持っているクラスの一人だった。

スクールカーストの底と言っても良いほど、正直目立たない子
教師の立場からこんなことを言うのはどうかと教育委員会に知られたら口々に不謹慎だとなんやら言われるのだろう
しかし、本当のことなのだから仕方がない
それに心の内で思ってることだ、誰も知らない、知られることもない
なんて、心のぐちゃりとしたものを愛用の煙草の煙にのせて全て吹き飛ばした

彼女は目立たない子だ
目立たない子と言っても、ほんの数人の友達はいる。彼女の周りに人がいたことは覚えてる
その子達も彼女と同じように目立たない子達で同じ状況同士ということで仲良くなったのか、はたまた同じ中学とか、そんなの聞けるものでもない

だって先生なんですから、結局は生徒と先生の関係で
踏み込んで良いところと悪いところがある

でも、そんな彼女に

スポットライトの下知らない彼女に私は特別な思いを抱いた
あの時の彼女と私は演者と演者に魅せられた私でした