【頬に付いた違うもの】shao ページ19
今日も部活が終わり帰ろうとした時に思い出した
お弁当箱教室やん と
冬ならギリギリ(ギリでもない)いけるかも知れないが、生温かい風が吹きたまに日差しが肌に突き刺さるような現象が起きてきたこの季節で弁当箱を教室に置いていくなどしたら最悪だ
蓋を開けた途端密封された色々な臭いが鼻を一気に攻撃してくるなんてごめんである
帰ったら見るはずだったテレビを我慢し俺は教室へと走った
ガラリと教室の戸を開ければ一番窓側の後ろの席、俺の席にちゃんとある俺の弁当箱
それを回収し教室を出る
廊下に出れば自分しかいないというなんとも不思議な光景
昼休み、10分休みになれば人溜まりが出来る廊下は今は自分しかいないという状況にとても不思議さを感じた
その時の俺は何を思ったのか知らないが隣の棟を通って帰ることにした
隣の棟なんて芸術の授業のときしか行ったことが無かった
普段の放課後なら聞こえてくる吹奏楽部の演奏も今日は聴こえなく本当に俺一人しかいないんやなと
すると何処からかカタンっと何かが倒れる音がした
俺一人しかおらへん筈やのに可笑しいやろ…
ま、まさか なんて非現実的なものの存在を思い出しブルリと身体が震えた
きっと見回りの先生がなんか倒してしまったんやな
少し気になってしまい音がした方へ足を進める
気になったら怖くても興味が湧いてしまうのは何故なのか、ど-でもいいことで脳を騙しながら進む
音がしたのは美術室だった
そっと扉を少し開け中を除くと一つの人影が見えた
まじかよ、まさかマジモンの…！？
どうしようとしているの中の人影とばちりと目が合う その人影はこちらへ歩いてくる あ、終わったわ
『何してるの？』
「え？」
顔を上げれば同じクラスのAさんだった
『見学、でも無さそうだね』
「いや、なんか音がしたから何やろうな-って」
その音にびびったのは内緒だ
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作者名：古木 | 作成日時：2018年4月30日 23時
