17話 ページ17
…(kyungsoo's side)
「こんにちは。」
なんか、にこにこしてる。
頬がほんのり赤らんでるせいか、
いつもより幼く見える。
「…ん？いいことでもあった？」
立ち上がって、彼女に歩み寄り、
走ってきたような形をした柔らかな前髪を
指先で整えてやりながら、
カバンを両手で抱いて、なにか話したそうに俺をちらちらと見上げるきらきらした目を盗み見る。
「いいことありましたっ。」
跳ね出しそうな楽しげな表情が
あんまり可愛くてぷはっと笑い声が漏れる。
俺の様子を見て、少し不思議そうに目を丸くさせてからまたにこにこし出す君。
「どんなこと？聞かせてよ。」
彼女には話したいことがありすぎるようで、
黙って少し目線を泳がせて
唇をもごもごさせてからやっと話し始めた。
「…あのですね、
学長が、ギョンス君に会いたいって言ったんです。ジョンインさんにも。
私、嬉しくって素敵な方ですよってお伝えしたんです。
そしたら君を推薦して良かったって。」
学長は、本をたくさん読まれるんです。
お腹がこんなに大きくて、眉毛が真っ白なんです。
そしてとても聡明で優しい方で、私の尊敬する先生なんです。
だからギョンス君が素敵な人だって分かってくれて私ほんとに嬉しかったんです。
ここがどんなにいい所か、先生は分かってくれたんです。
それでねってまだ嬉しそうに喋ろうとする彼女のことが愛しくて、人の話でこんなに幸せになったのははじめてで。
“狼”と恐れられ軽蔑されていた俺には、
こんなふうに受け入れて、素敵だ、なんて言ってくれる人もはじめてで。
大学に住みついてる猫の話をする君の唇を、
黙ってこれ以上ないくらい優しく塞いでやる。
アルコールも入ってない真っ白な冴えきった頭で。
ぽかんとした顔してる赤い頬に
触れるようにキスをすると、
ぱちりと長いまつげが驚いて短く瞬きをした。
そのすべすべな頬を指で確かめながら
友達と恋人の境界線を探るけど、
目の前の彼女は瞳を潤ませて視線を俯かせるばかりで答えを教えてくれそうにもない。
いつになったら俺の女になってくれるの。
その素直な唇で友達というレッテルを剥がしてよ。
そしたら君を優しく押し倒して、
俺がどれくらい愛してるか教えてあげる。
愛を教えてくれた君に今度は俺がオトコに愛されることを教えてあげるから。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドギョンスラブ！(プロフ) - すごくこのお話好きです！更新お待ちしております！！ (2019年3月3日 15時) (
レス) id: ccfad543f3 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - miiitaoさん» なるほど、確かに分かりづらかったですね！ご指摘ありがとうございます。この小説はカイくんのミステリアスな感じを出すためにカイくんsideは書いてないんです。ちゃんと書き直しておきますね！コメントありがとうございました。 (2017年12月16日 0時) (レス) id: 269a1e3e75 (このIDを非表示/違反報告)
miiitao(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいです。話の作りがとても上手でどんどん読みたくなるところがすごいなと思っています。私だけなのかもしれないのですが…ギョンスsideかカイsideなのかわからなくなる時があります。him sideではなく◯◯sideと書いて頂ければ嬉しいです。 (2017年12月15日 1時) (レス) id: 8d214eb085 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - 羅夢さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！全部読んでくださってるなんて感動です！これからも更新頑張らせていただきますね！ (2017年12月6日 6時) (レス) id: 269a1e3e75 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢 - 描写が細かくてどきどきしながら読んでます！短編集から全部読んでます〜！素敵な小説が読めて嬉しいです！！！ (2017年12月5日 13時) (レス) id: 87c24bbb37 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すずめ | 作成日時：2017年11月30日 1時
