13話 ページ13
…(kyungsoo's side)
俺よりも十も二十も歳をとった大人達は
会社の行く末や経営について
慌ただしくか口論を交わしている。
前々から準備や計画を立てておかないから
冷や汗をかくことになるんだ。
聡明な彼女なら
きっとこんなことにならないだろう。
彼女…
唇をつまんで昨夜の出来事を
ひとつづつ味わうように思い出す。
柔らかくてなんか甘い味がした、小さな唇。
重ねるだけで脳がびりびりするくらい気持ちよかった。
急に気分が良くなって、
困惑する頭の弱い年上の重役たちに
それぞれ解決策を教えてやる。
俺の今までにない親切に、
大人達は目を見開いてチラチラと目配せをする。
そして嬉しそうにメモにその策を書き付けた。
「ドさん、最近何かございましたか？」
「なぜですか。」
「いえ、変わられたと噂ですので。」
「…くくっ、そうですね。白鳥のおかげですよ。」
にこやかな俺を見て
大人達はとても楽しそうだ。
いつもよりうんと早く会議は終了し、
多くの人が俺に感謝の意を述べて去っていった。
「悪くないな…」
そうだ。
今日は彼女を食事に誘おう。
したい質問はたくさんある。
好きな動物はなにか。
ペンギンと言ってほしいところだけどどうだろう。
好きな季節はなにか。
きっと彼女は春というだろう。
会社を経営するなら何をするか。
聞いたら資金を提供してしまいそうだな。
「楽しそうですね。」
「ん？」
「ギョンスさんのそのようなお顔
久々に拝見しました。」
年老いた運転手は
幼い俺に微笑みかけていたのと同じ表情で
笑った。
「そうだね。友人が出来たから。」
「それはいいですね。」
心地よくふわりと車が角を曲がる。
満ち足りた俺の目に飛び込んできたのは
白いワンピースの彼女と
その隣を歩くジャケット姿のジョンインだった。
「…」
どうやら、俺だけの友人ではないようだ。
ふつふつと醜い感情が滲み出す。
これが独占欲か。
俺は自分で思うよりも
ずっと強く彼女に惹かれているのかもしれない。
…
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ドギョンスラブ！(プロフ) - すごくこのお話好きです！更新お待ちしております！！ (2019年3月3日 15時) (
レス) id: ccfad543f3 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - miiitaoさん» なるほど、確かに分かりづらかったですね！ご指摘ありがとうございます。この小説はカイくんのミステリアスな感じを出すためにカイくんsideは書いてないんです。ちゃんと書き直しておきますね！コメントありがとうございました。 (2017年12月16日 0時) (レス) id: 269a1e3e75 (このIDを非表示/違反報告)
miiitao(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいです。話の作りがとても上手でどんどん読みたくなるところがすごいなと思っています。私だけなのかもしれないのですが…ギョンスsideかカイsideなのかわからなくなる時があります。him sideではなく◯◯sideと書いて頂ければ嬉しいです。 (2017年12月15日 1時) (レス) id: 8d214eb085 (このIDを非表示/違反報告)
すずめ(プロフ) - 羅夢さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！全部読んでくださってるなんて感動です！これからも更新頑張らせていただきますね！ (2017年12月6日 6時) (レス) id: 269a1e3e75 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢 - 描写が細かくてどきどきしながら読んでます！短編集から全部読んでます〜！素敵な小説が読めて嬉しいです！！！ (2017年12月5日 13時) (レス) id: 87c24bbb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すずめ | 作成日時：2017年11月30日 1時
