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あなたと見る月だから ページ10

翔「美穂、寝た?」


ベランダから話しかけられる。


「うん。」


翔「そっか。ありがとう」


「ううん。翔くんもお仕事ありがとう。」

「なんでそんな所いるの?風邪ひいちゃうよ?」


翔「案外夜風が気持ちいよ。Aもビール持って来な。」


冷蔵庫から翔くんと私の分のビールを持ってベランダに出る。


「あ、ほんとだちょうどいい風」


翔「だろ?」


翔くんのふわふわな髪が風で揺れている。


「昼間の暑さが嘘みたい。」


翔「だなぁ、」


「あ、はいこれ。」


翔「ん、ありがとう。」


プシュッとプルタブを開ける。


それから無言が続く。

たまに翔くんがビールを飲む音しかしない。


少し遠くに見えるビルにはまだあかりがともっている。

まだ、仕事なんだ。

お疲れ様です。


こんな風に翔くんとゆっくりしたのは久しぶりかもしれない。


私は専業主婦ではあるけど、子育てと家事をしなきゃいけないし、翔くんは、役職についてるから私たちが寝たあと帰ってくることもざら。


最近、"母"ではあったものの、"妻"では無かったことを思い出す。

美穂が起きてる時は、パパ、ママ呼びだし。

子どもがいる手前、ラブラブすることも出来ない。


自分でそんなに甘えたな人だとは思ってないけど、

やっぱりちょぉっと寂しい。


翔くんが休みの時は、いつも構ってあげられない分、翔くんは美穂にベッタリだし。


まあ、言い方を変えれば育児をちゃんと手伝ってくれるってことなんだけど。

傍から見ればいいお父さんだけどさぁ、


ね、


この期に及んで、娘に嫉妬。


もうちょっと私に構ってくれたっていいじゃないのよ。

私だって構われてないんだし。


翔くんと美穂が二人で遊んでいる光景を見て、微笑ましいと思いつつ、本当は少しブー垂れてる。


でも、それを表には出しません。

それを表に出して可愛い歳じゃないから。


翔「何考えてんの?」


「んー?最近翔くんと2人でゆっくりするの久しぶりだなぁって」


ブー垂れてたことは言えないから、最初に考えてたことを言う


翔「俺も同じこと考えてた」


「ほんと?ふふ、」


同じこと考えてたんだって

ちょっと嬉しい笑


今まで、視線を街の景色に向けていたのを上を向ける。


あ、


「ねぇ、見てお月様、まん丸」


最近は月を見上げることもなかったなぁ


翔「ほんとだ」

翔「ねえ、A。」


「ん?」


翔「月が綺麗ですね。」


その一言で、月がさらに美しく見える。

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あやか(プロフ) - るきさん» コメントありがとうございます。通じあってよかったですねぇ月が綺麗ですね。の返しは様々な種類があり、意味合いが少しずつ変わってくるんですよね。オシャレですよね笑 続きですね……考えておきます! (2020年9月22日 9時) (レス) id: 02acaba440 (このIDを非表示/違反報告)
るき(プロフ) - 如月さん、お話読ませて頂きました。想いが通じ合って良かった(^o^)月が綺麗ですね、の返しの正解を初めて知りました。先人はオシャレですね(笑)ふたりの答え合わせ(続き)が気になります(^^) (2020年9月22日 9時) (レス) id: 05343dfbd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:文月 | 作成日時:2020年9月22日 0時

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