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私たちが向かったのはよく二人で飲みに行く、会社から近い居酒屋
いつも座るのはカウンター席。左に櫻井が座るって言うのがお決まりのパターン
翔｢大将！生中2つ！｣
｢勝手に頼むんかーい｣
翔｢え？合ってんだろ？今更カシオレとか言われても引くんだけど笑｣
引くって！私も自分がカシスオレンジ♡とか言ってたら引くけど！
｢いや合ってるけどさ、ウーロンハイの気分だったらどうするわけよ｣
翔｢Aは絶対1杯目は生中って知ってますぅ｣
口とがらせて可愛子ぶってんのかなんなのか分からない櫻井を軽く受け流す
｢あ、そうでしたかはーい。で、何かあったの？｣
櫻井が誘ってくる時は大体なんかあった時。まあ何も無い時もあるけど。
翔｢いや、突っ込んでくれないと、30過ぎても可愛子ぶってる痛いヤツだから俺！笑｣
｢あ、やっぱり可愛子ぶってたのね。で？｣
翔｢はあ、もういいや。で、まあ、今日も相談に乗っていただきましょうか。｣
｢はいはい。で、好きな子がどうしたって？｣
翔｢いやー、なんかさぁ、俺結構頑張ってると思うんだけどなんも手応え無いんだよねぇ｣
｢頑張ってるって例えば｣
翔｢見かけたらほぼ話しかけてるしさぁ、飯も誘ってるしさぁ、たまにだけどその子が残業してたら缶コーヒーとか奢ったりさ、してるんだけど、全然気づいてくれないんだよね｣
｢ご飯誘って来てくれるわけ？｣
翔｢うん来てくれる｣
｢じゃあ、嫌われてはないんだからいいんじゃない｣
翔｢いや、嫌われてはないなっていうのは分かってんだけどさ……気づいて欲しいっていうか……｣
｢だったらさっさと告白すればいいじゃない｣
翔｢そんな簡単に言うけど、今の関係壊れること考えると無理だわ｣
｢それは、気づかれたときだって同じじゃないの？｣
翔｢そうだけどさぁ、直接言うのとあれ？もしかして……？って思うのって違うじゃん？相手が拒絶じゃなくて意識してくれるかもしれないし｣
｢そんなに女々しかったっけ？さっきからけどしか言ってないわよ？あんたモテんだから自信持ちなさいよっ｣
と言いながら軽く櫻井の背中を叩いた。
翔｢痛った。お前マジで相変わらず怪力だな笑｣
｢こんくらいで痛いなんて非力すぎなんじゃない？そんなんじゃ好きな子に嫌われちゃうわよー笑｣
翔｢うるせーよ笑｣
そこから話がそれて、その後は仕事の話や上司の愚痴、同僚の話などをして1時間が経っていた。
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作者名：文月 | 作成日時：2020年7月27日 23時
