第十七話 ページ19
私が鬼ごっこなんて提案しなければこんなことには…。
私はため息をついて、自嘲気味に苦笑した。
どうせ何をやったって失敗ばかりなのだと、思い出してしまったから。
私の記憶を埋め尽くすのは、失敗や我慢を繰り返した過去ばかり。
昔からいつもこうだった。成功したためしがない。
私の関わったことは大抵失敗するのだ。
一番ひどかったのは、修学旅行の最中に階段から転げ落ちたこと。
しかも初日で、やっと今から自由行動の時間だ！っていう時だったのに。
そしていつからか、失敗を繰り返すうちに成功へ進むことを諦めるようになった。
失敗するくらいなら何もしないほうがいいと、本能が学んだようだった。
本当は学級委員とか、クラブの部長とか、みんなの上に立つことをやってみたかったけど。
だけどどうせ失敗しかしないと分かっているから、やる勇気がなかった。
だから私は、みんなに推薦されたり、勧められたりしても、あははと笑いながら「私は大丈夫だから、みんながやっていいよ」と本心を隠していくを強いられていた。
「・・・はぁ」
なんだか嫌なことを思い出したせいか、重たいため息が出てしまった。
ここ数時間の非現実的な出来事のせいで忘れていただけなのに。
するとアポロンが心配そうに顔を覗き込んできた。
「どうしたの？どうしたんだい？さっきから表情が暗いけど、突然どうしてしまったんだい？」
アポロンはその太陽のような笑顔を曇らせて、私を心配してくる。
「ああ、いえ。なんでもないです」
私はアポロンにそんな表情をさせてしまったことが無性に悲しくて、何でもないような振りをした。
そして打って変わったようにキラキラの笑顔を浮かべる。
「そんなことより、うさまろを探さないとですね・・・っ！」
私は無理に笑顔を作ると、アポロンの手を引いて走り出した。
私のせいでいなくなってしまったというのなら、私が探しに行かなくてはいけない。
そんな思いを胸に抱いて、今度こそ失敗しないようにとさきほどおにごっこを始めた場所に向かった。
＊
「このあたりから始めたんですけど・・・」
私はさきほど鬼ごっこを開始した場所に戻ってきていた。
当然他には誰もおらず、ロキも月人も戻ってきてはいないらしい。
「そういえば、尊さんは今どこにいるんですか？」
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まゆ - 面白かったです(≧∀≦)続きが、すごく気になります(≧∀≦)これからも、頑張って下さい(≧∀≦) (2018年6月30日 0時) (
レス) id: 139ce4a76e (このIDを非表示/違反報告)
イスフィーユ - 早く続きが見たいです。更新頑張って下さい！ (2014年7月29日 2時) (レス) id: 7ae3fa9c4c (このIDを非表示/違反報告)
みら(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！がんばりますねー！ (2014年7月17日 16時) (レス) id: c6cac86b84 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 続きが気になります！更新頑張ってください！ (2014年7月14日 23時) (レス) id: c42e404346 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃん(プロフ) - 面白〜〜〜い、ロキちゃん可愛い(前から可愛いなと思っていたから、ちゃんずけしています) (2014年6月16日 23時) (レス) id: 13c6deeea9 (このIDを非表示/違反報告)
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