【unei】うぇるかむ・とぅー・うんえ家

第8話 ページ9

rd「ごちそーさまでした、美味しかった！」

『お粗末さまでした』

全員が食べ終わったので、今から片付け。みんな自分の皿は綺麗に片付けてくれてるから、皿洗いもしやすい。

『…あれ、恭介さんは…？』

ru「あー…多分タバコじゃないかな」

各々自室に戻ったりゲームの準備をしたりしている中、1人だけいなかった。
恭介さんタバコ吸うのか…なんか893感が増した気がする。

ru「…みんなきょーさんって呼んでるし、Aさんもそれでいいんじゃない？」

『え…馴れ馴れしいって思われませんかね…？』

ru「大丈夫大丈夫！きょーさんあんな感じだけど優しいから」

…じゃあきょーさんって呼ばせてもらおうかな。正直恭介さんって長くて呼びづらかったし。

よし、皿洗い完了。風呂入って部屋戻るか。
もうみんな入ったようなので、入っても大丈夫だろう。

kyo「お、Aさんあがった？さっき電話鳴ってたよ」

『わかりました。ありがとうございます』

きょーさんがスマホを差し出してくれたので、受け取って画面を開く。
…あいつか。部屋戻ってからかけ直そう。

ﾌﾟﾙﾙﾙ､ﾌﾟﾙﾙﾙ､

ﾋﾟｯ

『もしもーし』

「A、家大丈夫だった？いじめられてるとか、こき使われてるとかない？」

『ないないwあろえ心配性すぎ…w』

ar「だって…」

親友の観葉(かんよう)癒芽(ゆめ)ーあろえ。
幼馴染で、小学校に入る前から知っている。

ar「どうだった？家の人たち」

『んー今んとこいい人そう』

ar「ならよかった」
「…お父さんの方も大丈夫？」

『…うん』

あろえはほんと、的確に私の不安要素をついてくる。
あんな人にバレたら、どうなる事か。これまでもずっと逃げてきたのに。

『…じゃ、私もう寝るけん。切るよ』

ar「ん。おやすみ」

『おやすみ』

電話を切って、ベッドに仰向けになる。
…あの人は、何をしてくるかわからない。配達員などと称して、部下を使って私の居場所を見つけに来る可能性だってある。

何より、この家の人たちを危険に晒してはいけない。もし、本当は嫌な人だったとしてもだ。私のせいで他人が巻き込まれるなんて、あってはいけない。

…怖い。けど、私が守らないと。
誰一人として、あの人の自分勝手には巻き込ませない。
今まで通り、隠し通さなければ。

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