第96話 ページ4
ないな…いやもうここまで来たらトイレくらいしか考えられないけど。トイレに隠すのは流石に悪質だろ。
『…いやマジであるのかよ…』
トイレに入ると、1番見えやすい洗面台の上に私の弁当箱が置いてあった。てか空じゃん中身どこやった？？？
「あっれー？Aちゃんじゃーん」
…この声。
女子の中でも高めで、媚びるような猫なで声。
『愛美…』
mn「何してるの〜？…って、これお弁当？」
「やだ、Aちゃんこんなところでお弁当食べてたの？きったなーい！」
わざとらしく叫ぶ愛美。面倒なのでその横を通り抜けようと歩き出す。
mn「ちょっと、無視してんじゃねぇよ」
『ｯ、…』
肩を思い切り押され、バランスを崩しかける。嫌がらせはギリ許すけど痛いのはやめてくれないかな。
『何？私教室戻りたいんだけど』
mn「はぁ…そろそろ諦めたら？」
『…何を』
mn「こんそめくんのことだよ。4年も経ったのにまだわかってなかったんだ？」
ドクン、と心臓が一際大きく脈打った。
mn「覚えてないの？中一の時にちゃんと教えてあげたのに」
『…うるさい』
mn「こんそめくんはね」
『うるさい…！』
mn「お前のこと大嫌いなんだよ」
そんなわけないじゃん。
そう、自信を持って言えたら良かったのに。
こんそめが私の事を嫌ってるなんて感じたことは無いけど、それを証明するものなんてない。もしかしたら、こんそめが巧妙に本心を隠しているか、あるいは単に私が鈍感だから気付いてないのかもしれない。
mn「いい？もう私の邪魔しないで」
「こんそめくんは私のものなんだから」
『…ちがう、…』
mn「…は？それ聞き飽きたんだけど」
愛美の冷たい瞳に睨みつけられる。目を合わせられない。俯いて、愛美の足元を見つめて、顔を上げられない。
舌打ちが聞こえたあと、視界に映っていた愛美の足が逆を向いて歩き出す。足音が離れていくと、急に時が動き出したみたいに周りの音が聞こえ始めた。
『ｯは、…ぅ、…』
鼻の奥がツンと痛くなる。
________耐えなきゃ。
今泣いてしまったら、目の周りが赤くなる。勘のいいこんそめなら、泣いたことに気付いてしまうかもしれない。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ…
『…やば、授業始まるわ』
『行かなきゃ』
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舞コンブ神楽(プロフ) - もっちもっちさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました…！ちなみに今も(かなり亀更新ですが)長編や短編を書いてるので、もし良ければ読んでみてください！ (2022年10月20日 23時) (
レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
もっちもっち(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!つい最近読んだよですが、面白すぎて2日間で終わってしまいました!!!さらに面白い作品が出ることを期待しております！ (2022年10月20日 21時) (レス) @page32 id: 5d1b6c9e6e (このIDを非表示/違反報告)
舞コンブ神楽(プロフ) - クラインさん» そんな感じです！子供ちゃんも、もしかしたらハチャメチャな未来になるかもですね…！こちらこそ、ここまで読んでいただきありがとうございました！！ (2022年6月21日 23時) (レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
舞コンブ神楽(プロフ) - くろもち@華月さん» 楽しいと感じて貰えてとても嬉しいです(*´˘`*)最後まで読んでいただきありがとうございました！ (2022年6月21日 23時) (レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
クライン(プロフ) - 完結おめでとうございます。夢主ちゃん達みんな幸せになってくれてよかったです。この先は子供ちゃん×zmさんって事であってます？？？そんな未来を想像しながら生きていきます。ここまで本当に、お疲れ様でした！！素敵なお話をありがとうございました！！ (2022年6月21日 19時) (レス) @page32 id: 2e57063caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞コンブ神楽ﾁｬﾝ | 作成日時：2022年5月1日 17時
