第33話 ページ35
…ナイフ刺さったままだ。さっき痛みが消えたのはアドレナリンってやつなのかな。今も刺された時ほど痛くはない。
ar「A何してんの！馬鹿なの！？」
『え…気持ち悪いし引き抜こうかなと』
ar「そんな事したらめっちゃ血出るでしょ！貫通してんだよ！？」
…なんでそんな泣きそうなの？痛いのも怖いのも全部私で、あろえは何も関係ないじゃん。あ、でも今抜いたら血出るんだっけ。部屋汚すのは申し訳ないしやめとこ。
『…って言われてもねぇ…どうするのこれ』
ar「んー…病院行くしかないよね…」
病院か…怪我は基本自分で治療してたし何気にあんまり行ったことないかも。
ar「A、歩けそう？」
『っ〜…あれ、力入んない…？』
ar「そりゃそうでしょ。逆になんでさっき走れたの」
「どうしよ…救急車呼ぶ？」
『それはやだ』
ar「やだじゃないだろ。歩けないほど重症なんだから」
あろえは問答無用で電話をかけ始めた。
しばらくすると、救急車のサイレンが聞こえてきた。
あろえside
自分が人生において救急車に乗ることになるなんて思わなかった。しかも、Aの怪我の付き添いで。
普通に喋っていたようで、実は相当疲れていたんだろう。隊員の人に運ばれて救急車に乗り込んだあと、Aはすぐに寝てしまった。
死んだように眠るAを見ていると、本当に死んでしまったんじゃないかと不安になる。
「…彼女さんのこと心配ですか？」
ar「かｯ…！？いえ、か、彼女じゃないです！」
隊員の人に訊かれて慌てて答えるが、他の隊員さんに「初々しいな」なんて微笑まれてしまった。
「大丈夫ですよ。脈は安定してますし、ナイフのおかげで出血もさほどありません」
ar「そう…ですか…」
あの時はほんとにびびった。
昨夜Aが言ってたことがどうにも気になって、学校に休みの連絡を入れてAの家へ行った。
チャイムを押しても出ないし、こんそめの部屋の扉には書き置きがあったから焦った。Aのことだから、綾小路さんを殴ったりもしかねない。そんなことすれば、間違いなくあの人の周りについている護衛に狙われる。
中々見つからず途方に暮れていた時、路地裏にAらしい人が見えた。その後ろで腕を引かれていたのは、間違いなく綾小路さんだった。
追いかけてみれば、Aの脚からナイフの切っ先が突き出ているんだから心臓が止まりそうになった。
ほんとに…心配させるなこいつは。
滲む視界を誤魔化すように笑った。
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神楽舞コンブﾁｬﾝ(プロフ) - @がーなさん» ありがとうございます…！！コメントすごく励みになります…僕も、楽しく書かせていただきます！ (2022年3月13日 22時) (
レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
@がーな(プロフ) - うん、もう色々タイプ,,,作者さんすごい！！文才分けてほしいぐらいです！！これからも、物語楽しく読まさせてもらいます！！ (2022年3月13日 20時) (レス) id: ab96b69a73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞コンブ神楽ﾁｬﾝ | 作成日時：2022年1月3日 12時
