第32話 ページ34
振り向くと目の前にあの男が。
身長は頭一個分くらい違うし、ガタイもいい。絶対敵わない。
前みたいにこんそめが助けに来てくれるわけもない。あいつは真面目だから今頃学校で授業受けてるだろうし。
…撒いて逃げるしかないか。道は広いし、死ぬ気で走れば多分いける。
ドｯｯ
『…は、？』
脚に鈍い痛みが走る。一箇所に熱が集中する。
触れると、手に赤い液体が付いた。
sk「はぁｯ…私にこんなことして…お父様が許さないわよ…！！」
ｯこいつ…！まじで刺しやがった…！
まずい、逃げ道を完全に塞がれた。
どうなるかな。流石に死にはしないだろうけど、捕まってこいつの父親のところには連れてかれるかもな。…いや、こいつの父親ってヤクザなんだから結局殺されるかも。少なくとも半殺しにはされそう。
嫌だなぁ…痛いのも、死ぬのも。
妙に冷静な思考に対し、脚は相変わらず熱を持っているし、涙が止まらない。
振り上げられた拳が見え、咄嗟に目を瞑った。
「っぶな…！」
聞き覚えのある声がして、腕を引かれた。
こけそうになりながら目を開けると、ぼやけた視界に鮮やかな黄緑が映った。
『あろえぇ…！』
ar「今泣いてる場合じゃないからｯ…！」
思い切り頷いて、涙を拭って走った。
何故だか、脚の傷は痛くなかった。
ar「ｯはー…つっかれたぁ…」
「久々にこんな走った…」
私の案内でなんとか撒き、そのままあろえの家へ。
『お邪魔しまーす…』
初めて来るあろえの家に、少し緊張する。
こんそめと同じく、整った部屋。違うことと言えば、こんそめよりものが少なくて所々に植物も置いてあることかな。家具のセンスなんかもあろえらしい。
『…ていうか、あろえの家なんて来てよかったの？』
ar「んー…まぁ行くとこ他に思いつかなかったし」
あろえの家がバレたら、あろえだってタダじゃ済まないかもしれないのに。ほんと、こういう時だけ優しいんだな。
ar「どーしよ…今日一緒に学校休む？」
『あー…そうしよっかな…』
こんそめには行くって言っちゃったけど、流石に今学校に行くのは危ない。それに怪我してるし。
…ん？怪我…？
『ちょ、やば！ごめん廊下汚しちゃったかも！』
ar「いや心配するとこそこ？」
今は仕事に行っているそうで、ご両親がいないらしい。ほんとに良かった…もし廊下に血痕ついてたら怖いでしょ。私だったら相当ビビるよ。
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神楽舞コンブﾁｬﾝ(プロフ) - @がーなさん» ありがとうございます…！！コメントすごく励みになります…僕も、楽しく書かせていただきます！ (2022年3月13日 22時) (
レス) id: 7865aa888d (このIDを非表示/違反報告)
@がーな(プロフ) - うん、もう色々タイプ,,,作者さんすごい！！文才分けてほしいぐらいです！！これからも、物語楽しく読まさせてもらいます！！ (2022年3月13日 20時) (レス) id: ab96b69a73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞コンブ神楽ﾁｬﾝ | 作成日時：2022年1月3日 12時
