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崩壊していく学園。
教室を出た途端に始まった地震に俺は何とか昇降口まで突っ走った。
ちなみに同級生の心配は皆無だ。探知の魔法で確認したから言えるが、あの時の教室に人間の気配はしなかった。
…それどころか、校舎内のどこにも人間の気配はなかった。
それにより、ひとまずはこの現象が超自然的な物であり一般人は巻き込まれないものだとわかった俺はホッとした。
だが、巻き込まれないのはあくまで一般人。
つまり、要は____あいつらも巻き込まれているだろう、という嫌な確信が俺にはあったのだ。
◆
「そろそろ昇降口が近くなってきたね」
「ああ、この階段を降りればすぐさ! けどっ」
「崩落している可能性がある、よね」
若干息の切れた状態で走り続けるアルフレッド。もう私は走れるというのに、話を聞かなかったからこうなる。というか、無理もない。流石のアルフレッドでも人一人を背負いながら全速力で走るのはキツいだろう。
「__ああ、大丈夫、みたいなんだぞッ。まだ持ちこたえてた!」
「本当だ。…アルフレッド、ここからは私も走るよ。階段を背負いながら降りるのはキツいでしょ」
「
「……無理してない?」
「平気なんだぞ、俺はヒーローなんだから、ねッッ!」
跳躍するアルフレッド。
ふわり、と体が宙に浮いた途端に勢いよく体が地面に引き寄せられ落ちていく。
衝撃に備え、アルフレッドのジャケットを私はギュッと強く握りしめた。
「あ」
唐突なその声に、どうしたのと問いかければ。
「ごめんA、ちょっと勢いよく力込めすぎたんだぞ…」
「何が______ぅ、うわああああああああっ!?」
…アルフレッドの体が、床を突き抜けた。
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作者名:木星人 | 作成日時:2017年6月25日 13時