◇参 ページ8
*
それから、こんのすけという管狐が迎えに来てくれて、
まっさらで殺風景な"本丸"という場所にやって来た。
こ「さあ、ここが主さまの本丸です!これから主さまと共にこの本丸を創りあげていく初期刀を選んでいただきます!」
『ふむ、五振り居るのですね。……どれも美しくて悩ましい…』
こ「そんな時は直感でいっちゃってください!」
『直感ね……………』
じっと五振りを眺め、一番目を引かれた刀に手を伸ばす。
刹那、ぶわっと桜が舞い、その中から一人の男士が現れた。
「……山姥切国広だ。……何だ、その目は。写しだとi…」
『綺麗……』
日本人離れした美しい金髪、翡翠のように澄んだ瞳。
気づけば、私は彼の手を取って彼を見つめていた。
山「き、綺麗とか言うな…!!俺は写しだ…!本歌じゃない!」
『……写し?本科?…なんです?それ』
山「……知らないのか…?なら知らないままでいい」
警戒しながらも、握った手をキュッと握り返してくれる。
愛おしさでなんだか胸がいっぱいになった。
『山姥切さん、これからよろしくお願いしますね。共にこの本丸を創っていきましょう』
山「…敬語とか、要らない。………国広でいい」
『……っふふ。分かったよ、国広』
そう頭を撫でれば、少し頬を赤らめて俯いてしまった。
こ「主さま!どうなさいましたか?お顔が緩んでいらっしゃいますぞ!」
『あまりにも国広が愛おしいもので…つい』
山「愛おしいとか言うな!そう言って居られるのも今のうちだ。どうせ他の刀が来ればそいつらの方がいいに決まってる」
バッと布で顔を覆い隠してしまった国広。
色々と拗らせちゃってるのね、きっと。そんな所も可愛い。((
これが、私の初期刀、山姥切国広との初めての出会いであり、
また刀剣男士との初めての出会いとなった。
もしかしたら私が生涯を終えるまでお世話になるかもしれない、
私と刀剣男士たちの本丸。
『さ、中に入ろうか。』
山「…そうだな。」
ガラガラガラ、と少し軋む扉を開けて中に入った。
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プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、続きの更新頑張って下さい。応援してます。 (5月5日 23時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
あう - 1、本科と写しどれも個別の刀で追いめを感じる様な者ではないから。実際に国広は誇りを持っている。2、剣士と言うだけで刀の事はあまり知らなかった。3、日輪刀は十人十色の刀だから ※勝手な妄想です。気にしないでくれるとありがたいです (11月21日 23時) (レス) @page6 id: 64c26850b0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (10月28日 9時) (レス) @page38 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
榮薇(プロフ) - たまごがゆさん» 夢主ちゃんは、山姥切の言動に、自分が写しであることに負い目を感じていることを察して、わざと知らないふりをしている、という設定です!ご指摘ありがとうございます😊ありがとうございます😳これからもご愛読いただければ幸いです❤️ (2022年8月29日 9時) (レス) @page8 id: c8e9ae4c59 (このIDを非表示/違反報告)
たまごがゆ - 素敵な話で読み込んでしまいました! ところで質問なんですが、◇参 の羽衣石が写しや本科を知らないのは何故ですか?刀を持つ鬼殺隊士が知らないとは思えず… 更新頑張ってください!応援してます! (2022年8月26日 22時) (レス) @page8 id: 8c08499bcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榮薇 | 作成日時:2022年8月1日 21時