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◇弐 ページ6

*



『ありがとうございました』



引越しを終え、家具が運び込まれた古民家の部屋。


街の喧騒から離れ、穏やかで平静な田舎の家。
四季折々の自然を楽しめるのが私はたいそう気に入った。

目の前の障子を開け縁側に出れば、甘い花の香が漂ってくる。



『うーん、お茶が飲みたくなるなぁ』



居間の床の間の刀掛けに刀を置いて、お茶を淹れて一休み。

すると、庭の梅の木に鶯がとまった。



『おやおや、君もこの香に誘われたのかな?』



羽ばたいたと思えば、チュンチュンと私の膝の上
に乗ってきた鶯。ふふふ、随分と人懐っこいね。



『君もこの近くに住んでいるんだね。いつでもおいで。次は美味しい菓子をあげよう』



そう首の当たりを撫でてやれば、気持ちよさそうに目を細めた。


かくしていると、ごめんくださーい、と誰かの声がした。



『はーい』



玄関に出てみれば、黒いスーツを着た男性二人が立っていた。
一人はとてもにこやかで、もう一人はキリッとしている。



「こんにちはっ!羽衣石Aさんのお宅ですよね!」

「お前はいちいちうるせぇんだよ。……コホン…失礼。羽衣石Aさんでいらっしゃいますね」

『ええ、そうですが…』

「僕達はずっと貴女を探していたんですよ!貴女にぴったりのお仕事をご用意してますので、僕たちに着いてきてください!」



そう元気いっぱいに言った男性が、もう一人の男性にゴチっと
頭に鉄拳を喰らった。

かなり痛そうだけど、男性は「あいてて」なんて相変わらず
ニコニコしている。



「もうお前は口を開くな…!ウチの野郎がすみません。貴女にはある仕事をご依頼したく存じまして。」

『あら、そうですか。ここじゃ何ですからお上がりください』

「ありがとうございます。俺、九条と言います。こっちは葉澄です。」

『九条さんに葉澄さんね。よろしく』

◇・→←◇壱



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プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、続きの更新頑張って下さい。応援してます。 (5月5日 23時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
あう - 1、本科と写しどれも個別の刀で追いめを感じる様な者ではないから。実際に国広は誇りを持っている。2、剣士と言うだけで刀の事はあまり知らなかった。3、日輪刀は十人十色の刀だから  ※勝手な妄想です。気にしないでくれるとありがたいです (11月21日 23時) (レス) @page6 id: 64c26850b0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (10月28日 9時) (レス) @page38 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
榮薇(プロフ) - たまごがゆさん» 夢主ちゃんは、山姥切の言動に、自分が写しであることに負い目を感じていることを察して、わざと知らないふりをしている、という設定です!ご指摘ありがとうございます😊ありがとうございます😳これからもご愛読いただければ幸いです❤️ (2022年8月29日 9時) (レス) @page8 id: c8e9ae4c59 (このIDを非表示/違反報告)
たまごがゆ - 素敵な話で読み込んでしまいました! ところで質問なんですが、◇参 の羽衣石が写しや本科を知らないのは何故ですか?刀を持つ鬼殺隊士が知らないとは思えず… 更新頑張ってください!応援してます! (2022年8月26日 22時) (レス) @page8 id: 8c08499bcc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:榮薇 | 作成日時:2022年8月1日 21時

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