戦う審神者は元最強剣士。【刀剣乱舞】【鬼滅の刃】

◇廿伍 ページ33

*



大演練も終わり、私たちの本丸に穏やかな日常が戻ってきた。

日に日に、降り注ぐ日差しに棘棘しさが増してくる。
いよいよ、この本丸にも本格的な夏がやってきた。



鶴「あ"〜…あっちぃな〜…」

燭「鶴さん溶けちゃいそうだね」

貞「見た目が雪みたいだもんな、鶴さんって」

鶴「はは、からかい上手になったな、貞坊は」



障子と窓が開けられて、開放的な居間でぐでーんと寝転がる鶴丸。そんな様子の鶴丸を見兼ねて、大倶利伽羅がうちわで扇いでいる。何だかんだ優しい伽羅ちゃん。



鶴「ひょっ…！！！」



すると、鶴丸が驚いたような声を上げた。



『ふふっ、驚いたか？なんちゃって』



鶴丸の頬に、冷たいラムネをぴとっとあてがうAだった。
寝転んだ鶴丸の顔を覗き込むようにしてぬっと姿を現したAに、また違う意味で驚いた鶴丸くん。((



鶴「…なんだ、主か……心臓が飛び出るかと思ったぜ…」

『気配を殺.しておいて正解だったわ』

鶴「…ま、まぁ主が嬉しそうで何よりだよ…」



はぁはぁと息を切らす鶴丸を他所に、Aは持っていた木桶をちゃぶ台に置いた。



貞「？なんだ？これ」

『ふふ、これはね、ラムネっていう飲み物だよ』

燭「ラムネ？」

『そう。シュワシュワしてて美味しいのよ』

倶「…どうやって開けるんだ？」



みんなで庭に出て、ラムネのビー玉をぱちんと落とすと、すぐにしゅわしゅわとラムネが溢れ出し、あたふたする4人。

急いで口に入れた鶴丸がむせたところまでがセット。



貞「！何だこれ！うまいな！」

『それならよかった。』

燭「それにしても、不思議だね。なんでシュワシュワするんだう？」

『炭酸よ。炭酸っていうガスを閉じ込めているからシュワシュワなるの。ふふ、不思議よね』

鶴「なるほどな。主は物知りなんだな！」



既に飲みきってしまった鶴丸。
からん、と残ったビー玉を熱心に眺めている。



『欲しいの？』

鶴「ん？あぁ、いや。綺麗だなと思ってな」

『後で取ってあげるわ。』

鶴「ありがとう」



淡い水色の瓶に、花緑青の硝子玉。どちらも、キラキラと夏の日差しを浴びて美しく輝いている。

…よく任務後に炭治郎たちと飲んだっけな。




何だか懐かしいノスタルジックな気持ちになった。

◇廿陸→←◇作者より

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す