◇拾伍 ページ22
*
『さっ、みんな集まったかな?』
長「…………」
『?どうしたの、長谷部?』
じっ、と審神者の方を見つめる長谷部。
ほかの刀たちの目線も、審神者の方に向けられている。
愛「主さん気合い入ってんなー!」
乱「ボクも張り切っちゃおうかなー!」
三「実によく似合っておるぞ」
『あ、この防水サロペットね。ふふ、現世で調達してきたの』
真っ赤な防水サロペット、麦わら帽子、軍手、長靴という
重装備で審神者執務室から出てきた審神者に、揃っていた刀剣
たちは驚いていた。
『さっ!じゃあ田んぼまで行きましょうか』
今「しゅっぱーつ!!岩融、おんぶしてください!」
岩「いいだろう、さあ乗れ!」
・
鶯「緑が映える季節だな。おや、こんなところに栗鼠がいるぞ」
平「わあ!本当ですね、可愛らしい栗鼠ですね」
少し進んで、気がつけば後ろでリスと戯れている鶯丸と平野。
しゃがみこんで楽しそうに遊んでいる。
長「鶯丸に平野、行くぞ。遅れをとらんようにな」
平「あっ…すみません、つい」
鶯「なに、田んぼは逃げん。そう焦るな」
長「いつでも気楽だな貴様は!」
全く…なんて呟きながら、いつもの主の隣の定位置についた。
鶴丸、長谷部、私、国広、光忠、貞の順で並んで歩いている。
後ろでは粟田口兄弟たちのわいわいする声が聞こえてくる。
私も、時折彼らを振り返っては心の中が愛しさで溢れる。
本当に癒しをくれるんだよなあ、短刀たちって。
・
『みんなー!着いたわよ!』
太「おわっ!超広いな!みっちゃん見ろよー!」
燭「はしゃぎすぎないようにね!」
厚「よっしゃ、やるぞー!」
薬「俺も一肌脱ぐとするか」
代かきを終え、水が張ってある田んぼを前に、やる気満々な
短刀たち。せっかく履いてきた長靴を脱ぎ捨てて、勢いよく
田んぼに入っていった。
包「ひゃー!冷た!」
博「こん中にやごおらんかな?」
同「やごもいるが、蛭もいるから気をつけろよ」
秋「蛭がいるんですか!?」
信「あの吸血する虫!?」
ほらこれ、って土ほじくって蛭を引っ張り出した同田貫。
手の上で蠢くそれに、短刀たちドン引き。
『みんな虫除けスプレーするからおいでー!』
そんな時、近くで苗の準備をしていた審神者が全体に
そう声を掛けた。
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ヒト型セラミド(プロフ) - プスメラウィッチさん» ありがとうございます!がんばります💯 (7時間前) (レス) id: c8e9ae4c59 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、続きの更新頑張って下さい。応援してます。 (5月5日 23時) (レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
あう - 1、本科と写しどれも個別の刀で追いめを感じる様な者ではないから。実際に国広は誇りを持っている。2、剣士と言うだけで刀の事はあまり知らなかった。3、日輪刀は十人十色の刀だから ※勝手な妄想です。気にしないでくれるとありがたいです (11月21日 23時) (レス) @page6 id: 64c26850b0 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (10月28日 9時) (レス) @page38 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
榮薇(プロフ) - たまごがゆさん» 夢主ちゃんは、山姥切の言動に、自分が写しであることに負い目を感じていることを察して、わざと知らないふりをしている、という設定です!ご指摘ありがとうございます😊ありがとうございます😳これからもご愛読いただければ幸いです❤️ (2022年8月29日 9時) (レス) @page8 id: c8e9ae4c59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:榮薇 | 作成日時:2022年8月1日 21時