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月ノ姫＿7 ページ7
「＿あっ」
不意に彼が空を見上げて声を漏らした。
同じように空を見上げても、今はまだ深い闇の夜。
朝はまだまだだ。
不思議そうに首を傾げて彼を見つめる。
そんな私に笑う彼。
いつものように優しく笑っている彼。
それでも何だかいつもと違う笑顔に不安になった。
(どうして寂しそうに笑うの…？)
「…聞いて、お姫様」
彼がいつもと違い真剣な瞳で改めるものだから、その言葉の先を聞きたくなくて立ち上がる。
『……聞かない』
そのまま彼から距離を置くように後退る。
「聞いて、お姫様」
彼が切羽詰まった顔でそう言い私の手をそっと掴んで引き止める。
何だか嫌な予感がする。
嫌だ、何も聞きたくないっ。
「そろそろ」
寂しそうに笑う彼。
「お別れしなきゃ…」
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作者名：M00N | 作成日時：2021年12月13日 2時
