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月ノ姫_5 ページ5
ーーコツ、コツ。
壁の外から足音がした。
彼が来た合図。
私と彼はあれから数日、夜になると会っていた。
外の世界を知りたい私に彼はいつも色んな世界を聞かせてくれた。
そんな彼はいつも壁の外にある城へと続く階段を登って、壁に軽々とあがる。
彼の足音は静かな夜の階段にはよく響く。
それでも、高い壁に囲まれた私の部屋付近にはブリキの兵士達はいないから気づかれることは無い。
(…こんなに高い壁で囲まれてるなら、兵士は必要ないもんね)
この事は私を大切にしすぎているお父様に密かに感謝する。
「_こんばんは、お姫様」
壁から降りてきた彼はいつもの優しい笑顔でいつも通りの挨拶をする。
「今日は…広い海の話を聞かせてあげる」
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作者名:M00N | 作成日時:2021年12月13日 2時