【暗殺教室】E組の愛され天使ちゃん。Part 4 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:2,482 hit

. ページ2

.

姑息な手段……A組の方が、姑息といえば姑息だった気もするが。

浅野は低い声で吐き捨てると背中を向ける。5英傑の他の4人を引き連れ、その場を去っていった。

「ケッ、負け惜しみが」

「いーのいーの。負け犬の遠吠えなんて聞こえないもーん」

「気にすんなよ。お前の苦労なんか、アイツには分かんねえんだから」

寺坂や莉桜が浅野の背中を見ながらそう言い出す中で、前原が磯貝の方に手を置いた。だが磯貝は前原の方を見ず、去っていく浅野の背中を見つめながら「いや」と口を開いた。

「俺なんてさ、アイツに比べたら苦労人でもなんでもないよ。みんなに助けてもらった今日なんかさ、貧乏でよかったって思っちゃったよ」

『悠馬……』

はは、と小さく笑みをこぼした磯貝。嬉しさの滲む声を聞いて、Aは一度目をぱちくりとさせてから微笑んだ。

_____浅野くんのような派手さはない。だけど磯貝くんは、前でも上でもなく、気がつけば横にいる。

パン食い競争で大量に余ったパンに喜ぶ貧乏ならではの磯貝を見ながら、みんなしてそう思うのだった。