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『それに、意外とプレッシャーかけられるとやる気出るんだよね』
「やる気?」
相変わらずにこにこと笑うAに、渚も莉桜もきょとんとしている。
渚のオウム返しにAは「うん」と頷いた。
『いつも見下してるE組にトップを取られてると、本校舎の人達は悔しがるでしょ?
ある意味それでストレス発散できていいかなーって』
「あはは………」
思わず渚が苦笑を浮かべた。
そのとき。
「_____楽しみだなぁ」
「「!」」
目の前から声がして向くと、そこにはお馴染みのあの2人組。
「A組と無謀な賭けしたんだって?」
「どんな命令されんだろーなー」
田中と高田だ。
ニヤニヤとこっちを見てくる2人に、Aも渚も半目に。
すると、
「……………」
『……?莉桜?』
真顔の莉桜が、つかつかと田中に歩み寄った。
筆箱を開き、ペンを2本取り出す。
そして。
_____グサッ
「!?!?!?!?」
『…………うわぁ』
鼻の穴にブッ刺し、思い切り引き抜いた。
途端ブシャーッと噴き出てくる鼻血。Aは哀れみの目を向けながらも、そのまま足を止めることはなかった。
「さて、私らが1番乗りっ♪」
「田中ーーーッ!!」と叫んでいる高田の声は完全無視して、何事もなかったかのように扉を開ける。
まあまあ早めに来ていたこともあり、Aたちしかいないだろうと思っていたが_____
「…………ん?」
教室のある席を見つめ、莉桜が眉をひそめた。
「………………。」
1番窓側の後ろから3番目の席。そこに、誰かが座っていたのだ。
細すぎる目に丸っこい鼻、唇。
「「誰!?!?!?」」
『見たことない子だね……』
まったく見たこともあった事もないその人物に困惑する莉桜と渚。
打って変わって興味津々にその人物を見つめるAの後ろから、誰かが声をかけてきた。
「律役だ」
『あ、烏間先生』
壁に背をもたれてそう言った烏間に、Aが目を向ける。
烏間はそのまま続けた。
「流石に、理事長から人工知能の参加は認められず…律が勉強を教えた替え玉で決着した」
「……………」
「交渉の時、理事長に“大変だなぁコイツも”
……という、哀れみな目を向けられた俺の気持ちが分かるか?」
「「頭が下がりますッ!!!」」
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かふぇもか(プロフ) - 猫もんさん» 変態と純粋がたくさんですね😺 (2023年4月8日 17時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
猫もん - 男子達…純情……(一部、違う人もいるが) (2023年4月7日 20時) (レス) @page49 id: 28e7d0c472 (このIDを非表示/違反報告)
猫もん - かふぇもかさん» 分かりました!なんか、戦闘シーンとかってどう書けばいいか分からないし困りますよね…これからも頑張ってください!! (2023年4月7日 7時) (レス) id: 28e7d0c472 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - 猫もんさん» その点については、本当に申し訳ないのですが多分そのお話は書かないと思います…私自身面倒なところは早く飛ばしたい、と思ってしまいまして…。読者の方々にはまたご迷惑をおかけします🙇🏻♀️ (2023年4月6日 21時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
猫もん - あぁぁ…もうちょっとで苦手な鷹岡が出てくるよ…… (2023年4月6日 19時) (レス) @page36 id: 28e7d0c472 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇもか | 作成日時:2023年4月2日 19時